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ハイブリットはいかが?

2001年10月16日 03時55分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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ここのところ、暗いニュースが多くなりました。暗さに拍車をかけるので、そのような話題は避けてお話したいぐらいです。世相と同様に経済面も暗いムードです。振り返ると今年の3月までは、「IT」と呼ばれ祭り上げられていました。それが、半年で、「IT不況」と呼ばれる有様です。

さて、このような経済面の不調は、SIにも大きな影響をもたらしています。数年前に比べると、「求められる構成が大きく変わった」と感じませんか? これまで、システム導入が決まれば、冗長性や拡張性など将来を見越して余裕を持った構成を要求されました。フルオプションだって、稀ではありません。しかし、このところ聖域なきコストセーブで、当面不要な部分はすべて切り捨てられます。今、求められている機能を適切なコストで提案することが重要視されているのです。

先日、当コラムのライターでもある(株)びぎねっと 代表取締役社長 宮原徹氏の講演を聞く機会がありました。その中で、「目的合致主義」という言葉がありました。正に現在を象徴する言葉です。

そのような環境で、我々SIはどのような構成を提案すべきなのでしょうか。的確な機能とコストを両立するには、オープンソースと商用ソフトを共存したハイブリットな構成がもっとも適しているといえます。もちろんオープンソースを使用してすべてを構築できれば、コスト的に大きなメリットになります。オープンソースは、そのようなニーズに答えるソフトが数多く用意されています。

しかし、日本のユーザーは、それほどアグレッシブではありません。たとえば、データベースは、多くのユーザーが商用データベースを要求します。また、開発会社もセンシティブなので、未経験のデータベースには消極的です。また、クラスタリングソリューションなど、保険的なプロダクトは商用ソフトがベストとなります。

逆に、標準的な機能や運用を補助する機能は、オープンソースが適しています。いまや、DNS、メール、Webなど、標準的な機能にオープンソースを利用するのは日常的なことです。世界的シェアを見れば、反論の余地がありません。さらに、それらを運用管理する機能にオープンソースを使用すれば、大きなコストセーブです。よく考えてみると、運用管理ソフトウエアは、結構な投資を必要としています。しかし、重要なのは、管理対象なのです。手段を重視するあまり、目的を見失ってしまうのはいかがなものでしょうか。

「そんな都合のいいオープンソースがあるわけない」と思われますか。では、Linuxに対応したIDS(侵入検知)を探してみてください。多分、優秀なオープンソースのIDSがいくつか見つかるはずです。

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