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21世紀の幕開け

2000年12月25日 20時50分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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昨年のY2Kを思い返すと、あっけないほど簡単に迎える気がします。「2001年」と言われてもピンと来ない感じです。子供の頃に「2001年宇宙の旅」を見て、「2001年」は遥かな未来のイメージを植え付けました。映画では、高性能コンピュータ「HAL9000」が描かれています。しかし、まわりを見回してもノートパソコンは増えたものの紙やペンがまだありますし、コンピュータと会話ができるわけではありません。やはり、夢のような未来は、実現しないのでしょうか。

しかし、それほど悲観的な状況ではありません。2000年11月 24日(金)~26日(日)に横浜パシフィコ横浜で開催された「ROBODEX2000」をご覧になりましたか? そこには、未来を感じさせるロボットから、ペットタイプのロボットまで、数多くのロボットが展示されていました。特に2足歩行ロボットは、人間のパートナーとして身近な存在を予感させます。2002年に開催を目指す「RoboCup」のヒューマノイドリーグ(2足歩行タイプ)も現実味を帯びてきます。携帯電話の普及を見ると、いったん普及のフェーズに乗れば、その進歩は著しいものです。特に日本の得意分野である小型化と多機能化は、他国を圧倒しています。

さて、これらのロボット開発にLinuxが一役買っているのをご存知ですか? ロボットのような新しい技術は、研究者自らプログラムを作成する必要があります。プログラムが動作するOSがブラックボックスでは、安心してロボットの制御を任せられません。その点、Linuxを始めとするオープンソース系のソフトウエアは、自らプログラムを見ることができるので安心です。

この点は、NASA(アメリカ航空宇宙局)が、Linuxを利用している理由と一致します。地球から遠く離れた探査機のOSがハングアップしてしまっては取り返しがつきません。すべてのコードがチェックできるオープンソースが、先端技術を支えているのです。

今回のコラムは、お休み期間なので、ビジネスを離れた話題となりました。2001年は、公開技術がブレイクする年と言われています。2001年もビジネスLinuxとテンアートニをよろしくお願いいたします。

RoboCup

RoboCupは、ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律移動ロボットによるサッカーを題材として日本の研究者らによって提唱されました。現在では、サッカーだけでなく、大規模災害へのロボットの応用として「レスキュー」、次世代の技術の担い手を育てる「ジュニア」などが組織されています。そして2002年には「ヒューマノイドリーグ」が加わる予定となっています。

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