インテル(株)は23日、『Pentium 4プロセッサ』に最高速となる1.70GHz版を発表した。台湾で開催中の開発者向け会議IDFのキーノートスピーチでの発表を受けたもの。1000個ロット時の価格は4万2570円で量産出荷中としている。2000年11月に1.40/1.50GHzが発表されて以来、5ヵ月で200MHz高速化されたことになる。1.60GHzをスキップした形だが、インテルでは今のところ1.60GHz版発売の予定はないとしている。
『Pentium 4プロセッサ』1.70GHz |
Pentium 4-1.7GHzでは、20段のハイパーパイプライン、コア周波数の2倍で動作する演算ユニット(ALU)、400MHzのシステムバスクロック、改良されたキャッシュや浮動小数点演算、“ストリーミングSIMD拡張命令2(SSE2)”といった基本的なPentium 4のアーキテクチャー“NetBurstマイクロアーキテクチャ”には変更はない。パッケージも423ピンのPGAパッケージで従来と同様。
0.18μmプロセスの6層アルミ配線技術によって製造される点も従来のPentium 4と同じだが、コアを製造するステッピング(半導体製造に使われる露光マスクのバージョン)については、新しいものに変更したという。また、コア電圧は1.5GHzまでの1.70Vから1.75Vに引き上げられた。インテルではかねてから、2001年内に登場予定のPentium 4-2.0GHzまでは、この0.18μmプロセスの6層アルミ配線技術を使用するとしている。
インテルはまた、当面Pentium 4に対応するチップセット、特にパフォーマンスPC向けとしては現行のRDRAMをサポートする『Intel 850チップセット』で変わりないが、今年後半にはパフォーマンスPCより価格の低いボリュームゾーン向けとして、SDRAMをサポートするチップセットを予定しているという。ただこのチップセットがサポートするSDRAMは、米AMD社や台湾のVIA Technologies社が推進するDDR(Double Data Rate) SDRAMではない。インテルもDDR SDRAMをサポートするチップセットを投入する計画だが、2002年になるとしている。