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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第32回

永遠の命は20年以内に実現?――Amrit不老不死研究所

2008年09月01日 15時00分更新

文● 古田雄介

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薬で寿命をカスタマイズできる可能性は高い


── では、率直に聞きます。不老不死は実現しそうですか?

ふぇちゅいん 脳の寿命以外は、20年以内にはなんとかなりそうですね。ただ、サイトを始めた10年前も「20年以内に……」と思っていましたが(笑)

 少なくとも、機械の腕といった擬態技術は発展しているでしょう。今、神経と電子回路の接続は、すごく研究されているんですよ。まあ、SFの世界みたいにはいかないでしょうけど、それなりに実用できるレベルに行くいんじゃないかと思います。さらに、生の腕や足を再生する技術も実現するかもしれません。今は、iPS細胞の登場で倫理上の問題がなくなったので、体の部分パーツを作る研究も山ほど行なわれているんです。


── 「不死」ついていえば、10年前からあまり大きな進展はないという印象ですかね。

ふぇちゅいん 進んでいないですねえ。特に再生医療は何も進んでいないですね。残念ながらお金にならなかったんで、進まなかった。ただ、ちょっと工夫をこらせば人が救えそうな技術はポコポコ出てきているんで、何かブレイクスルーがあればドンッと一気に進むと思います。そろそろあるんじゃないかなと思うんですけどね。要は、研究レベルはすごく進んでいるんですが、実用化が進んでいないわけです。

 ただですね、パーツの培養というのは金銭的や倫理的な問題で難しいですけど、医療の基本は薬なんです。だから、薬によって人間の体をいくらでもコントロールできるようになるっていう可能性は高いと思っているんですよ。今だって、元気になる薬や短期記憶を抑制する薬は普通に売っていますよね。だから寿命を延ばす薬だって不可能ではないと思うんです。


── なるほど。特殊な脳移植などではなく、薬の服用で長生きするわけですか。

ふぇちゅいん そうです。手術はお金がかかるから、お金持ちしか利用できませんしね。細胞の寿命を延ばす薬を開発すれば、誰でも安価に寿命を延ばすカスタマイズができるわけです。実際、薬に関して言えば、10年前からの進展は大きいですし。

 今でも「若返らせる薬」の研究は進んでいるので、あと5年したらたくさん出てくるんじゃないでしょうか。一部は今も売っていますし。「若返らせる」っていっても、効果が見えにくいから、もっと売れる名称になっていますけどね。たとえば「老化に伴う○○を抑える薬」みたいな。ちなみに老化というのは、ガンなどを除いて、血管の硬化が主な原因なんです。だから、血管を柔らかくする薬は大抵アンチエイジングというか「不老」の効果があるんですよ。

ふぇちゅいん氏の兄弟サイト「KamoTOWN」

 ネット上にある膨大なサイトを、現実の最寄り駅でカテゴライズするというユニークなコミュニティー&リンクサイト。近所に住む人のサイトを見たり、街のショップが運営する公式サイトをチェックするといった使い方ができる。8月29日現在で3000件以上の登録がある。

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