あなたは宇宙人や心霊といった超常現象を信じているだろうか?
超常現象については、その情報を信じる「信奉者」(ビリーバー)と、疑わしいと見る「懐疑論者」(スケプティック)というタイプに二分される。恐らく多くの人は、「心霊は絶対いる!」「そんなことあるわけない」などと根拠なく決めつけて、どちらかの立場を採っているはず。本当かどうか自分の目で確かめるとなると、金銭も手間も膨大にかかってしまうからだ。
今回紹介する「超常現象の謎解き」(以下、謎解き)は、超常現象への強い情熱を背景に、綿密な調査を行なっているウェブサイトだ。UFOのウワサや超能力者の神性はもちろん、「猿の芋洗い行動が突然全国レベルで広がった」という半分事実として広まっているエピソードにもメスを入れ、数々なカラクリを暴いてきた。
2007年11月には「ASIOS」(超常現象の懐疑的調査のための会)という業界団体立ち上げるなど、精力的に活動している管理人の本城達也氏に、その先にある野望について語ってもらう。
某教授とは一緒にされたくない
── 本城さんは、20歳の頃にビリーバーからスケプティックに転身したと聞きました。このサイトは、そうした気持ちが変わったことがきっかけで始めたのですか?
本城 いえ、しばらく時間が開きます。スケプティックになったあと、ネットで超常現象を調べてみると、懐疑的な情報が少ないことに気が付きました。
たまに否定的な記事があっても、決めつけばかりのどうしようもないものばかりで、とにかく具体的な証拠を挙げて論じているサイトが少ない。だから、皆に真実を知ってもらいたいという気持ちから「謎解き」を始めました。
── 読者の反応はどうですか?
本城 ビリーバーの人が、懐疑的な立場に変わったというメールがよく届きます。否定的なメッセージは、アンケートフォームで匿名の投稿が来るくらいで、攻撃的なメールは滅多にありません。
── 狙いどおりの効果が得られている感じですね。
本城 そうですね。でも、さらに言えば、僕の記事に疑いの目を持つ読者が今より増えると嬉しいです。「結論は同意だけど、この検証は間違っているんじゃないか」とか。自分でも検証する人が出てきてほしいです。
誤解されやすいんですが、僕はスケプティックといっても、頭ごなしに超常現象を否定しているわけではありません。超常現象やオカルトは大好きなんだけど、客観的な証拠を元にその現象を検証していきたい。夢やロマンを持ちつつも、一方で懐疑的なスタンスも捨てないという感じです。
だから、僕の記事からすぐに結論を出して、「やっぱり超常現象はないんだ」という反応をされてしまうと悲しい。
── テレビで有名な、超常現象を否定しまくる某教授とは違うと。
本城 一緒にされるのは嫌ですね(笑)。でも、テレビは分かりやすく面白く作らないとならないので、ああいうスタンスで見せるのは仕方ないです。ネットなら視聴率は関係ないので、その点は有利でしょう。
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