「MT(Movable Type)は今、盛り上がっているのか?」 そんな疑問を抱えて、筆者は8月19日、丸の内カンファレンスセンターに向かった。シックス・アパートが主催する「第2回Movable Type Developer Conference」に参加するためだ。
3~4年前だろうか。ブログブームとともに日本でもMTが注目を集め始め、MTだけで構築されたWebサイトを目にする機会が個人/商用を問わず急激に増えていった。だが、ここ最近はWordPressに代表される他のブログツールの人気も高く、以前ほどMTの話題を耳にする機会も減ったように思う。だから今回のイベントで何より知りたかったのは、「MT(のユーザー)は今、どうなっているのか?」ということだった。

再構築が3倍速くなった「MT 4.2」
「Movable Type Developer Conference」は、MT開発者向けのカンファレンスイベントで、昨年に続き2回目の開催となる。お盆休み明けの平日、それも朝10時から夕方4時30分までという長丁場にも関わらず、会場には多くの参加者が詰め掛けていた。定員100名の会場は満席とまではいかないものの、恐らく7~8割程度は埋まっていたのではないだろうか。資料の配布がなかったこともあるが、講演中はPCやノートで懸命にメモを取ったり、カメラやビデオを手にスライドを撮影する参加者の姿が目立った。

シックス・アパート執行役員 製品企画担当の金子 順氏
最初のプログラムは、シックス・アパート執行役員 製品企画担当の金子 順氏によるプレゼンテーションだ。金子氏は、今月14日に正式版がリリースされたばかりの最新版「MT4.2」を紹介した。
ファイル管理やWebページ作成などが搭載された「MT4」、カスタムフィールドやグローバルテンプレートが導入された「MT4.1」と大幅な機能強化を経て、「MTはスケーラブルなサイト制作を実現するプラットフォームになった」と金子氏は言う。4.2でも大規模サイトを意識したさまざまな新機能が追加されているが、ユーザーや開発者にとっての何よりの朗報は、“速くなったこと”だろう。
MT4.2では、ブログエントリ1万件/コメント10万件規模のサイトでの再構築にかかるスピードが33%、キャッシュ機能を併用した場合では45%アップしたという(同社テストによる)。MT3.36に比べると2~3倍も高速化されたことになり、サイトが肥大化するにつれて時間がかかっていた再構築のストレスを大幅に軽減することになりそうだ。
