WordPressユーザーの祭典「WordCamp Yokohama 2010」が5月29日、東京都市大学横浜キャンパスで開かれた。国内で開催されたWordCampとしては過去最大の400名が参加。利用ノウハウの共有や、ユーザー同士の交流を楽しんだ。
世界のWebサイトの8.5%がWordPressで作られている!?
午前10時30分の開会後、最初のセッションに登壇したのはWordPressのエバンジェリスト的な存在として知られる、米オートマティックのマクラケン直子さん。マクラケンさんは「WordPress最新事情」と題して、WordPressを取り巻く近況と、現在開発が進められている「WordPress 3.0」について紹介した。
ブログ/CMSツールとしてもともと世界的に人気のあるWordPressだが、マクラケンさんによると現在も勢いは今も止まらず、躍進は続いているという。すでに国内20のホスティングサービスがWordPressの簡単インストール機能を導入しており、世界のWebサイトの8.5%がWordPressで構築されているとのデータもある。「昨年の4月に開催したWordCamp Tokyoが150名。今回は400名と参加者が倍以上に増えたのも盛り上がりの証。WordPressが日本でもどんどん広がっていることを肌で感じている」(マクラケンさん)
競合のMovable Typeに比べると弱かった商用サイトでの採用も活発になってきている。暮しの手帖社、クックパッド(企業情報サイト)、ベクター(企業情報サイト)、VAAM(コミュニティサイト)――これらは、マクラケンさんが紹介した事例の一部だ。
マルチブログ機能を統合した次期「WordPress 3.0」
現在、リリース候補版(RC1)が公開されている次期バージョンの「WordPress 3.0」はどんなバージョンになるのか。マクラケンさんはデモを交えながらいくつかの新機能を紹介した。
1つは「WordPress MU」との統合がある。WordPress MUはブログホスティングサービスやコミュニティサイトなどでの利用を想定した、マルチブログシステム。これまではシングルブログの場合はWordPress、マルチブログの場合はWordPress MUと使い分けしていたが、今後はWordPressに1本化される。
また、デフォルトのテーマ(テンプレート)が新しくなり、管理画面からブログの背景画像を簡単に変更できる「カスタム背景」機能が付く。テーマファイルをわざわざ編集しなくても、Twitterのように管理画面から背景をさっと変更してオリジナルデザインのブログサイトを作れる。
WordPress 3.0ではこのほか、カスタム投稿タイプ(投稿するコンテンツの種類を定義できる機能)、ドラッグ&ドロップ操作によるナビゲーションメニュー管理機能などの追加が予定されており、CMSとしての使い勝手はさらに向上しそう。
WordPress 3.0 RC1は英語サイトから配布中で、正式版は「大きな問題がなければおそらく6月中にはリリースされるはず」(マクラケンさん)という。
