パソコンから組み込みまでをつなぐOpera Link
――Opera Linkも大きな新機能ですが、これはどういった経緯から開発されたものなのでしょうか。
冨田 実はOpera Linkのアイディア自体は大分前からあったものなんです。2001年ぐらいから携帯電話向けのOperaがどんどん出荷されるようになりましたが、いろいろなゲーム機やSTBにOperaが採用されるうちに、社内でも、ユーザーさんの間でも、各デバイスのOperaをつなぐものがあればいいという話が自然と出てきたんですよ。
それで、どういったデータをシンクロすればいいか、どういった形でつなぐのがユーザーにとってベストかといったことを議論して、アーキテクチャーを作っていきました。今後は同期できるデータを増やしていくことで、もっと利便性を上げることができると思います。
――Opera Linkを使うにはユーザー登録が必要ですが、今流行りのソーシャル系サービスに近いものを感じました。IDを使ったサービスを今後もっと拡充していく予定はありますか?
冨田 今現在もOperaのIDを使うことで、ブログを書いたりストレージとして使うことが可能ですが、英語版しか用意されていないので日本人のユーザーにはあまり知られていなかったと思います。日本語化もなるべく早い段階で取り組みたいと思います。また、ブラウザー自体が進化するのも当然ですが、ブラウザーの利便性を向上させる方向性として、その上で走るサービスを充実させて行きたいと思っています。
――サービス連携という点では、オフラインでもウェブアプリを実行できるグーグルの「Gears」への対応も発表されましたね。
冨田 今回のバージョンには間に合いませんでしたが、たぶん次のビルドでGearsに対応することになるでしょう。
Opera9.5では、VideoタグやCanvas要素での2D描画といったHTML5の機能を先行的に実装していますが、それ以外にもローカルデータベースを持ったウェブアプリを開発したいという要望が開発者の間でも結構あるので、グーグルと共同してGearsへの対応を進めています。表計算やメールクライアントなど、そういったものをブラウザーから起動しなくてはならない必然性はないですから、これからはどんどんサーバーに負担をかけない方向性に進むでしょう。
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