ウェブ検索のパフォーマンスを追求
冨田 2つ目がパフォーマンスです。表示の速さもさることながら、求めている情報をいかに素早く探せるかや、ブラウザーのインターフェースを通していかに快適にインターネットを使えるかということまで含めたパフォーマンスの追求をしています。
その例が「全文履歴検索」という機能で、例えば先週見たある記事をもう一度読みたいけれど、どこで読んだか憶えてないというときに、ツールバーから簡単にキーワード検索できる機能を追加しました。これは、ページタイトルやURLだけでなく、ページ内のテキスト全文から検索が可能です。
3つ目がセキュリティー。オンラインセキュリティーの重要性はどんどん増していますし、フィッシングだけでなく、マルウェアへの対応も実装しています。さらに「EV (Extended Validation) SSL certificate」(実在証明を厳格化したSSL証明)への対応も実装しました。
4つ目としてはウェブ開発者向けに「Opera Dragonfly」というビルトインのデバッガーを提供した点です。Opera DragonflyはCSSやJavaScriptなどの動作検証ができるツールですが、例えば携帯電話機などパソコン以外の環境で動作するウェブアプリをデバッグするツールというのはなかなか無いと思います。
OperaならではのUIを開発したかった
――ユーザーインターフェース(UI)も大幅に変わりましたね。
冨田 単に見た目が変わったというだけでなく、いくつか新しいボタンを配置することでより使いやすくしています。例えば、ツールバーの左端に簡単にパネルをオンオフできるボタンを配置したり、パネルの一番下にプラスのボタンを配置することで簡単にユーザーがパネルを追加できるようにしたり、細かい工夫をしています。
――ベータ2までは前のUIだったのが、最終版で急に変更されたのに驚きました。
冨田 実はベータテスター向けにはもう少し前から新しいUが提供されてたのですが、一般ユーザーの方には急に見えたかも知れません。UIの変更は非常に長期間に渡って行なってきたプロジェクトで、1年弱かかっているんじゃないでしょうか。Opera9.5ではいろいろな新機能を実装しましたが、もう1つ何か大きなボーナスをプレゼントしたかったというのがありました。
Operaはノルウェーの会社ということもあり、ユーザーの間でもOperaはUIまわりが独特だと言われるように、アメリカの会社にはないユニークなデザインが持ち味です。それをアピールする目的もありますし、OperaならではのUIを開発したいという思いもありました。
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