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時事ニュースを読み解く “津田大介に聞け!!” 第17回

レコード協会の「エルマーク」は、本当に不正ダウンロードを減らすか?

2008年03月10日 10時00分更新

文● 編集部、語り●津田大介(ジャーナリスト)

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マークを付けただけでは、すぐに変わらない


── エルマークの狙いは何でしょうか?

津田 彼らが一番期待しているのは、一般消費者に「エルマークが付いているのが安全なサイト、付いていないのが違法サイト」というイメージを定着させることでしょう。

 エルマークと、2月20日に始めた「不正アップロード防止キャンペーン」(関連リンク)や、俗に「ダウンロード違法化」と呼ばれている著作権法30条の改正(関連記事)と組み合わせることで、違法サイトを減らす効果を高めたいのだと思います。

不正アップロード防止キャンペーン

「不正アップロード防止キャンペーン」のポスター。キャッチフレーズは「音楽違反」で、キャンペーン自体は首都圏の電車内やインターネットのサイトで3月20日まで行なわれる


── 違法ファイル交換は減らせそうですか?

津田 エルマークを付けただけで、すぐに状況が変わることはないでしょう。

 エルマークは掲示板などのサイトには発行されません。ケータイで問題になっている「違法着うた掲示板」に対して、「マークが付いていないサイトでは、ダウンロードには十分注意してください」といった言い方ができるようになる。

 違法着うた掲示板には、「何となく悪いことをしている」と意識しながら利用しているユーザーが多いため、先のようなキャンペーンを続けたり、30条の法改正が通ったりすれば、ある程度の抑止効果が見込めるかもしれません。

 とはいえ、ストリーミングサービスにはエルマークが適用されないため、ニコニコ動画やYouTubeに上がっている音楽ビデオはどうやって規制するのかという問題も出てくるでしょう。

 結局、根本的な打開策にはならない。違法ファイルを本当に減らしたいのなら、規範作りももちろん大切ですが、それよりも実際に摘発が困難になっているボトルネックを解消する方が実効性という意味では高いと思います。

 現状は違法ファイルを見つけても、それをISPやサービスに削除依頼したり、アップロードした個人に対して情報開示請求する段階で、放置されたり対処が遅れることが多く、本来的にメスを入れるならばそこの部分なのではないでしょうか。

 あとはレコード会社が規制するだけでなく、きちんとやるべきことをやって、消費者と信頼関係を築いていくことも重要だと思います。

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