このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

テレビメーカー冬の陣の目玉「~リンク」機能に迫る 第1回

今やテレビ選びの基準のひとつ「HDMI」連携を探る!!

2007年10月24日 11時00分更新

文● 吉澤亨史、森英信

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 液晶・プラズマといった薄型大画面テレビを選ぶ際、画質と並んで重要なポイントのひとつに挙げられるのが「レグザリンク」「AQUOS ファミリンク」「ブラビアリンク」といった、「各社テレビのブランドネーム+リンク」と呼ばれる各種機器との連携機能だ。ここではテレビメーカー各社のリンク機能についてまとめてみた。

東芝の「レグザ」

東芝の「レグザ」

 このリンク機能を実現するインターフェースは「HDMI」(High-Definition Multimedia Interface)である。HDMIは、ハイビジョン映像と音声、および制御信号を1本のケーブルでやり取りできるデジタルインターフェースで、「HDCP」(High-bandwidth Digital Content Protection)と呼ばれる著作権保護技術に対応する。これまでは著作権保護(暗号化)されたハイビジョン映像を、そのままのクオリティーで伝送することを目的として、録画機器(HDDレコーダーなど)と接続するケースが一般的だった。しかし最近では、録画機器以外のさまざまな周辺機器を接続するインターフェースとして、各社がリンク機能をアピールしている。

ソニーの「ブラビア」

ソニーの「ブラビア」

 最新のHDMI規格のバージョンは「1.3a」となっており、映像面では10.2Gbpsの帯域幅と1440pの最高解像度、動画用の国際色空間規格「xvYCC」などに対応した。また音声面でも、「Dolby True HD」や「DTS HD」などのデジタルサラウンドオーディオコーデックに対応し、映像と音声を完全に同期させる「Lip Sync」をサポートしている。さらに、「タイプC」と呼ばれるミニ端子が採用され、デジタルビデオやデジタルカメラなどの小型機器にも搭載できるようになった。

 HDMIのリンク機能として活用されているのが、HDMI(1.2a)規格より含まれる「HDMI CEC」(Consumer Electronics Control、機器間制御機能)だ。CECによって、機器の制御信号をHDMIケーブル経由で伝送できるようになり、ある機器から別の機器を制御することが可能となった。例えば、DVDプレーヤーの電源を(DVDプレーヤーのリモコンで)オンにすると、DVDプレーヤーはHDMIケーブル経由でテレビの電源を入れ、さらにテレビの入力をDVDプレーヤーに切り替える、といった一連の動作を自動的に行なうことが可能になっている。

シャープの「Aquos G」シリーズ

シャープの「Aquos G」シリーズ

 しかし、このCECはHDMI規格のオプションとして設定されており、メーカー各社が独自の機能を持たせることが可能な仕様になっている。異なるメーカーの機器を接続した場合に、リンク機能が利用できない場合があるのはこのためだ。なお、各メーカーで「~リンク」と呼ばれている機能は、HDMI以外の接続方法も含まれている。ここで、メーカーごとのリンク機能の概要を簡単にチェックしてみよう。

メーカー/機種名 リンク名称 接続方法 リンク対応機器
東芝/REGZA(レグザ) レグザリンク HDMI HD DVDヴァルディア(HDD/DVDレコーダー)、コスミオ(ノートPC)、オーディオシステム、gigashot(ムービーカメラ)
USB USB HDD
LAN LAN HDD(NAS)
シャープ/AQUOS(アクオス) AQUOS ファミリンク HDMI AQUOS ハイビジョンレコーダー、AQUOS ブルーレイ、AQUOS オーディオ、シアターラックシステム(スピーカー)
IrSS転送(ワイヤレス) 対応携帯電話機
松下電器産業/VIERA(ビエラ) ビエラにリンク! HDMI ハイビジョンディーガ(DVDレコーダー)、ブルーレイディーガ(BDレコーダー)、ラックシアター(スピーカー)、サウンドセット
LAN ドアフォン(PLC接続)、VOD
SDメモリーカード デジカメ(LUMIX)、ビデオカメラ(SD5)
ソニー/BRAVIA(ブラビア) ブラビアリンク HDMI HDDレコーダー、ネットワークTVボックス、シアタースタンド(スピーカー)
ルームリンク LAN DLNA対応機器(Blu-rayディスクレコーダー、PCなど)
日立製作所/Wooo(ウー) Woooリンク HDMI レコーダー、オーディオ機器など
パイオニア/KURO(クロ) HDMIコントロール HDMI PC(HDMI端子対応)、マルチチャンネル プリメインアンプ(スピーカー)、Blu-ray ディスクプレーヤー、シアターシステム(スピーカー)
ビクター/EXE(エグゼ) (リンク名称なし) HDMI レコーダー、オーディオ機器
LAN DLNA対応機器(DVDレコーダー、PC、HDDなど)
三菱/REAL(リアル) リアリンク HDMI HDD/DVDレコーダー(楽レコ)

記事掲載当初、「ビエラにリンク!」を「ビエラリンク」と表記していまましたので訂正しました。「ビエラリンク」は「ビエラにリンク!」の中に含まれる、HDMIによる機器連携に関する機能を指す表記です。お詫びしてい訂正いたします。(2007年10月24日)

 なお、上記はあくまで各社が「リンク」機能として位置付けているもので、項目がないからといって必ずしも機能が搭載されていない、というわけではない。例えばメモリーカードに保存された静止画の表示は、多くのメーカーのテレビでサポートされているが、リンク機能のひとつとして位置付けているのはビエラだけなので、ここでは表中に記載している。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中