パイオニア(株)は2日、ハイビジョンプラズマテレビの新ブランド“KURO”(クロ)の発表会を都内で開催し、4機種を発表した。
今回発表されたのは、60V型(60Vインチ)フルハイビジョン(1920×1080ドット)パネル採用の『PDP-6010HD』(希望小売価格99万円)、50V型(50Vインチ)フルハイビジョンパネル採用の『PDP-5010HD』(72万円)、50V型(50Vインチ)ハイビジョン(1365×768ドット)パネル採用の『PDP-508HX』(56万円)、42V型(42Vインチ)ハイビジョン(1024×768ドット)パネル採用の『PDP-428HX』(45万円)の4機種。フルハイビジョン対応の2機種は10月上旬、ハイビジョン対応の2機種は9月上旬発売となる。
今回の新機種は、プラズマの発光原理を含めた“すべての技術を原点から見直した”とし、その結果“究極の黒”を実現したという。従来、プラズマの画素では放電を行なうための“予備放電”と呼ばれる小さな発光が行なわれるが、これにより“黒”を表示する場合でも完全な黒にはならず“グレー”がかった色になってしまうという。
究極の黒を実現することでほかの色も引き立つ!
今回の新プラズマパネルでは、“電子発生源”と呼ばれる素材を配置。これにより放電を高速に行なうことができ、予備放電を小さくすることに成功した。結果として、暗コントラスト20000:1を実現し、黒の表現が忠実に再現できる。ちなみに、同社の塩田克延氏によると、同社で黒レベルの測定を行なったところ、測定不可能なレベルだったという。同氏は「未知の黒と出会った瞬間」だったと語った。
純粋な“黒”を実現することは「絵画でいうところの白いキャンパス」であり、“赤”や“緑”といったほかの色も引き立つとしており、結果全体的に鮮やかな色味に仕上がっているという。そのほか、外光反射と写り込みを低減できる“ダイレクトカラーフィルター”により、明るいリビングなどでも映像が見やすくなっている。
音作りにも同社のこだわり
“KURO”は音に関しても刷新したという。デジタルアンプとスピーカーユニットを新たに開発し、S/N比を向上させるとともに低域における歪みを低減。映画のセリフといった人の声も聞き取りやすくなっている。その上で、音作りに関しては同社の高級アンプのエンジニアに意見を聞きながら行なったという。
そのほか、映画タイトルなど24コマ/秒の映像を60コマ/秒に変換する際に、独自のアルゴリズムにより中間画像を自動生成する“フィルム・スムース”機能により、動きを滑らかに表示できる。
外観デザインは余分な要素を極限まで排除し、光沢のある黒で統一した“レスエレメント”デザインを採用。シンプルで高級感のあるデザインとなっている。
必要なのはシステムとして提供すること
同社は合わせて、Blu-ray Diskプレーヤー『BDP-LX80』(10月下旬発売、希望小売価格21万円)と、ホームシアターシステム『HTP-LX70』(10月上旬発売、希望小売価格26万1000円)などを発表した。
パイオニアマーケティング(株)の校條亮治(めんじょうりょうじ)氏は、新製品のマーケティングについて“価格訴求から顧客価値訴求への変換”を行なっていくとし、今後はスペックや価格でなく、お客様の満足度を重視していくと語った。その上で「必要なことは単体の製品ではなく、システム化」であるという認識を示した。
ちなみに、今回の“kuro”と新AVシステム製品群については「Seeing and Hearing like never before」(観たことがないものが観える。聴いたことがないものが聴ける。いまだかつてない感動体験を)というテーマで全世界的にマーケティングを展開していくという。
