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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第5回

「2ちゃんに育ててもらった」──管理人が語る“2NN”運営への情熱

2007年08月20日 19時08分更新

文● 古田雄介

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「もう新バージョンは作りたくない」


── 現在2NNにかける時間はどれくらいですか?

中島 作業はほぼメンテナンスだけなので、日によって差が激しいです。かけないときは本当に何もしない。自分がユーザーになって2NNを見ているくらいです。一応、自分が見て楽しいのが大切だと思うので、チェックの意味合いも込めて毎日見ていますね。

 プログラムを組むときは、連休などを利用してぶっ通しでパソコンに向き合うから、せっかくの仕事の休みなのに全然休めない(笑)。今年のゴールデンウィークには、2NNのバージョンを4から5に更新するため、夢中で作業しました。


── では、そのうちバージョン6になることも?

中島 もうバージョン6は作りたくないんですよ……。バージョン5.1にするなど、今のバージョン5に何か継ぎ足して作れるとは考えています。

 バージョン4までは、自分のプログラミングのスキルが足りないので、完成してすぐに作り直したくなってきたんです。しかし、バージョン5の完成度はそこそこ満足していて、今のところ、バージョン6を作りたいって感情はわかないんですよね。5でひとまず洗練されたかなという感じです。



訃報の“黒丸”は今でも手動で判断



── 人気スレッドの中でも、特に瞬間的にコメント多く付いた場合には“※1マークが表われますよね。この基準は昔から変えていないんですか?

中島 変えていますよ。ニュース板の書き込み速度も全体的に上がっているので、昔のままだと毎日が祭りになってしまうんです。最近祭りの頻度が高いなーと思ったら変えていますね。

祭マーク

通常の“祭”マーク。書き込み速度(1時間あたりのコメント数)が一定値を超えると、画面の背景に大きく表示される

※1 2ちゃんねる用語で、スレッドに書き込みが極端に集中する状態を指す。


── コメント数が多い訃報ニュースの場合は、“祭”マークではなく黒丸が表われますよね。こうした細かい仕様を変更しようと思うきっかけは何ですか?

中島 そういった機能は、2NN+の掲示板などでユーザーの意見を見て、“変えなきゃ”と判断してやっています。ただ、訃報なのかどうか、システムだけでは全てを判断できない部分もあります。プログラムだけで完璧な精度を出すのはやはり難しいですね。


── ということは、ご自身で逐一チェックして変更しているのですか?

中島 間に合えばそうしています。タイトルに“訃報”とか“死去”とかあれば、黒丸が自動で出るようにはしているんですけど、不審死とかだとスレッドの空気によって判断が難しくなるので、どうしても手動になりますね。

 あとは、お悔やみじゃないんだけど事件的なものとか、悲劇系の話題は手動でも判断が難しいです。その事件や悲劇ではなく、法制度などの社会問題として盛り上がっている場合は祭りでも悪くないんじゃないのかな、とか。もうその時その時で、空気を読んでやるしかないんですよね。

黒丸

訃報関連のスレッドで一定値を超えた場合は、背景に黒丸(○)を表示する。この判断は、手動で行なわれるときもある


(次ページに続く)

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