今、対戦型のタクティカルシューターとしてもっとも注目を集めているゲームタイトルといえば、2020年6月2日にサービスインしたライアットゲームズの「VALORANT」だ。オーソドックスな爆破系FPSのシステムに、昨今のトレンドであるヒーローシューターの要素をミックスした本作は、プロeスポーツシーンでの盛り上がりも相まって、一躍トップクラスの人気タイトルに肩を並べるほどの話題を呼びつつある。昔「Counter-Strike」をプレイしていたが、これを機にFPS復帰を考えている、という往年のゲーマーもいるかもしれない。
この特集では、本作の人気の理由やゲームの始め方、勝利へのコツといった、「VALORANT」入門にあたっての基本となる情報を紹介しよう。
「VALORANT」人気の理由は?
「VALORANT」は海外で先行してサービスインしていたこともあり、国内のFPSファンの間ではサービス開始前から大きな注目を浴びていたタイトルだ。有名eスポーツチームがサービスインに先駆けて参入を発表するなど、話題にも事欠かなかった印象だが、これほど注目を集めていたのには複数の理由がある。
1.「リーグ・オブ・レジェンド」のライアットゲームズが開発・運営する無料タイトル
「VALORANT」の開発・運営元であるライアットゲームズといえば、言わずと知れた超大型MOBAタイトル「リーグ・オブ・レジェンド」を手掛けたヒットメーカーだ。ジャンルは違えど、世界でもトップクラスに成功しているeスポーツタイトルを抱える同社がFPSジャンルにも参入するということで、注目を集めるのは道理だろう。ちなみに「VALORANT」というゲームタイトルはかなり最近になってから発表されたもので、当初は「プロジェクトA」という開発コードネームのみが知られていた。
2.爆破系FPSにヒーロー要素をプラスした奥深いゲーム性
「VALORANT」のルールは、FPS系タイトルではすっかりメジャーになった5vs5の「爆破系FPS」を踏襲している。爆弾(本作では「スパイク」)を設置するチームと、設置を阻止または解除するチームに分かれ、「相手の全滅」か「爆弾の爆破あるいは解除」という2つの勝利条件を設けつつ、複数のラウンド制で勝敗を競うのが基本。単に相手を全滅させるだけでなく、時間をうまく使って爆弾を設置するといった駆け引きが可能なため、撃ち合いの強さだけでなくチーム全体の戦略がモノを言う奥深さがこのルールの大きな特徴だ。
「VALORANT」の独自性は、このオーソドックスな5vs5の爆破ルールを採用しつつ、固有の特殊能力を備えたキャラクター「エージェント」を扱うヒーローシューターの要素を加えている点にある。エージェントは戦闘や索敵、味方の回復などに役立つ「アビリティ」を活用することで、場合によってはアビリティ1つで敵を大量にキルできたり、攻めを妨害したりといった、単純な撃ち合いによらない活躍が可能。リアル寄りの爆破系FPSではグレネード、スモークなどを活用して戦術の幅を出していたところを、よりユニークな「アビリティ」に置き換えたことで、さらに豊富な選択肢が取れるようになっているわけだ。キャラクターのピック、ラウンドごとの武器の選択、攻撃・守備それぞれの連携など、複雑な要素が絡み合うなかでチームの勝利を目指すため、単純な個人能力の高さではなく、知識や経験なども強く求められるのがゲームの醍醐味とも言える。