ASCII Power Review 第250回
2画面対応のゲームが出てくると楽しいですね!
2画面がとても便利だった=モバイルゲーミングPC「AYANEO FLIP DS」実機レビュー
2024年05月25日 10時00分更新
ここ数年、多くのモバイルゲーミングPCがリリースされ、レノボやASUS、MSIといった大手PCメーカーも参入した。
スライドキーボード搭載モデルや、コントローラー脱着型などさまざまなスタイルの製品が登場しており、今回レビューする「AYANEO FLIP DS」もその1台。
開閉できるメインディスプレーに加えて、本体側にセカンドディスプレーを搭載。まるで、大人気を博した携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」をオマージュしたようなモバイルゲーミングUMPCだ。
今回はハイビームから試用機を借りたので、ハードウェアやパフォーマンス、セカンドディスプレーにどのようなメリットがあるのかという点もレビューしていく。
7型フルHD液晶と3.5型QHD液晶を
デュアルで搭載するDSスタイル
「AYANEO FLIP DS」はOSに「Windows 11 Home」、CPUに「AMD Ryzen 7 8840U」(8コア、16スレッド、5.1GHz、28W)を採用。メモリーは32GB/64GB(LPDDR5X)、ストレージは2TB(M.2 2230 PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。カラーはShadow BlackとMilky Whiteが用意されており、メモリー容量の異なる下記の4モデルがラインナップされている。
・Shadow Black/32GB/2TB 19万3600円(キャンペーン価格17万6000円) ・Shadow Black/64GB/2TB 23万4300円(キャンペーン価格21万3000円) ・Milky White/32GB/2TB 19万3600円(キャンペーン価格17万6000円) ・Milky White/64GB/2TB 23万4300円(キャンペーン価格21万3000円)
ディスプレーは、メインが7型フルHD IPS液晶で1920×1080ドット、314ppi、120Hz、400ニト、sRGBカバー率100%、コントラスト比1200:1、タッチ対応、光沢、セカンドが3.5型QHD IPS液晶960×640ドット、60Hz、タッチ対応、光沢を搭載している。
インターフェースは、USB4にUSB 3.2 Gen2 Type-C、OCuLink(SFF-8612)、microSDメモリーカードスロット(UHS-II)、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5.2をサポートしている。 本体サイズは180×102×29.8~37.5mm、重量は650g。45Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は非公表だが「長時間駆動を実現」と謳われている。

ディスプレー奥にはボリュームボタン、ホームボタン、セカンドディスプレーインタラクションボタン、指紋認証センサー一体型電源ボタン、光学ポインティング、左側には左スティック、方向パッド、ビューボタン、メニューボタン、右側にはA/B/X/Yボタン、右スティック、AYAボタン、ファンクションボタンを用意

背面にはRC/RB/RTボタン、microSDダストカバー、マイク、インジケーター、USB 4、USB 3.2 Gen2 Type-C、OCuLink、LC/LB/LTボタン、前面にはスピーカー×2、3.5mmオーディオジャック、マイクを配置

USB ACアダプターの型番は「DCTPD65WWCN-B1」。仕様は入力100-240V~1.6A、出力5V 3A、9V 3A、12V 3A、15V 3A、20V 3.25A、容量65W。USB Type-Cケーブルの長さは実測154cm
セカンドディスプレーは
「ながらプレイ」にもってこい
本製品最大の特徴は、7型フルHD(1920×1080ドット)に加えて、3.5型QHD(960×640ドット)ディスプレーを搭載していることだ。
ニンテンドーDSのように本体側のディスプレーでペン操作するように設計されているわけではないが、解像度が高いので、YouTube動画を再生したり、攻略ページを表示したり、またはメッセンジャーやSNSアプリを表示させるなどの「ながらプレイ」が可能。またどちらもタッチ操作に対応しているので、直感的に操作できる。
さらにセカンドディスプレー用には「機能モジュール」が用意されており、パフォーマンスを確認・調整する「パフォーマンス設定」、各種設定を素早く切り替える「クイック設定」、アプリを起動する「クイックアプリ」、アプリ間を素早く切り替える「スマートサブスクリーン」などを表示できる。マクロを登録するためのパネルが追加されると、ゲームでも重宝しそうだ。
ディスプレーの画質も良好だ。メイン、セカンドともにIPS液晶ディスプレーが採用されており、広視野角が確保されている。
メインディスプレーについては実際に計測してみたところ、sRGBカバー率は97.1%、AdobeRGBカバー率は74.6%、DCI-P3カバー率は78.3%というモバイルノートPCとしては平均的な色域を確認できた。
さらにメインディスプレーについては最大120Hzのリフレッシュレートが確保されている。ゲームに適したディスプレーが採用されている。
Ryzen 7 7840Uでのスコアだが
R23で12842をマーク
日本向けに発売される製品には「AMD Ryzen 7 8840U」が搭載されているが、今回は試用機としてRyzen 7 7840U/ メモリー64GB/ ストレージ2TBというスペックのマシンを使っている。そのため参考値としてベンチマークスコアをご覧いただきたい。少なくとも日本向けのAYANEO FLIP DSは、今回のベンチマークスコアを上回るはずである。

ベンチマークは管理アプリ「AYASpace 2.0」で、「Performance」を「Extreme」に設定して実施している(TDP Limit:28W、TDP Boost:有効、Fan Configuration:Smart、CPU Turbo:有効)
まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は12842pts、CPU(Single Core)は1622ptsとなった。「Ryzen 7 7840U」のままでも、クリエイティブ系アプリも動作できるパフォーマンスを備えている。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は12842pts、CPU(Single Core)は1622pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は740pts、CPU(Single Core)は97pts

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