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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典 第89回

いち早くスマホをコスパで勝負したスペイン・BQの正しいビジネス展開

2018年05月06日 12時00分更新

文● 山根康宏

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 昨今は中国に勢いがあるスマートフォン業界ですが、ヨーロッパの中堅メーカーも頑張っています。今回はスペインに本拠を構えるBQを紹介します。

コスパ重視でスペインの人気ブランドに

 2003年にマドリードの大学生たちが立ち上げたBQは、2009年にスペイン向けに電子ブックリーダー端末を販売します。当時のブランド名は「Booq」でした。2011年にはスペインの最大手キャリア、テレフォニカ向けや、フランスを拠点とするヨーロッパの大手IT量販店のフナック(Fnac)にそれぞれ相手先ブランドで製品を納入。この年発売した「BQ Cervantes」がスペインで売り上げNo.1の電子ブックリーダーになるなど、着々と知名度を上げていきます。

 2013年にはスマートフォン市場に参入。最初の製品「Aquaris 4.5」はデュアルコアCPU(メーカー非公開)に4.5型960x540ドットディスプレー、3Gのみ対応、800万画素カメラと基本スペックを抑えた製品でした。このころヨーロッパは各国で通信キャリアがSIMロック端末販売の見直しを進めており、SIMフリーで200ユーロを切る価格のAquaris 4.5はスペインの消費者にすぐに受け入れられました。

BQ初のスマートフォン、Aquaris 4.5

 2013年はさらに「Aquaris 5」「Aquaris 5 HD」「Aquaris 5.7」と、参入初年度から一気に4製品が投入されました。製品名の数字はディスプレーサイズ、大画面モデルほどスペックが高くなるというわかりやすい製品展開で認知度を高めます。とはいえ5.7型フルHDディスプレー、1300万画素カメラ、LTE対応の最上位モデル、Aquaris 5.7でも価格は259ユーロとお手頃価格。コストパフォーマンスに優れたモデルとして後からヒット製品となったASUSのZenFone 5(初代)が登場するより前に、スペインではBQが「お得なスマホ」を出していたのです。

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