ニッチなスマートフォンに特化する中小メーカーも世界には数多くあります。BlackViewはタフネス機能を売りにしたアクティブ系端末を中心に様々な製品を出している中国メーカー。世界最強の強度を誇る製品など、日本の消費者が気になる端末も出しています。
タフなスマホで最初から世界市場をターゲット
2013年創業のBlackViewは自社ブランド以外にも相手先ブランド(OEMやODM)でのスマートフォンを製造しているメーカーです。同社の柱となる製品は耐衝撃と防水防塵性能に優れた「BV」シリーズで、そのほかにカメラを中心に性能を強化した「A」シリーズ、本体デザインをスタイリッシュに仕上げた「S」シリーズ、大容量バッテリー搭載で長時間駆動が特徴の「P」シリーズと4つのラインを持っています。
過去には固有の名前を持つモデルも多く存在しました。2015年には「Omega」や「Breeze」といったメディアテックのチップセットの機能を活かした低価格スマートフォンも排出。ディスプレーにアルファベットの文字を指先で書くことでアプリを起動したり、2つのスマートフォンの画面どうしをタップしてデータを転送するHotknot機能などを搭載し、NFC非搭載スマートフォンでも買い替え時のデータ移行を楽にしました。
またBlackViewの頭文字からとられた「BV」シリーズも、初期のころはiPhone 5cのようなカラフルボディーのスマートフォン「BV2000」が投入されるなど、製品のラインナップの方向性はしっかりと定まっていませんでした。最初の防水防塵耐衝撃性を備えたタフネススマートフォンは「BV5000」。おそらく5000以上がアクティブ機、5000以下は一般モデルという区分にしようとしたのかもしれません。
2016年に入ると価格をさらに下げた「E」シリーズを投入します。BlackViewが展開する海外市場はフィリピンなどの東南アジア、そしてアフリカや南アメリカなどの新興国が中心でした。それらの市場では携帯電話からスマートフォンへの買い替え需要が高く、日本円で1万円以下で買える超低価格スマートフォンがこぞって売れていたのです。
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