ツイキャスを運営するモイ株式会社は、ライブ配信者が企画を作り、その企画を応援したいリスナーがスポンサーとして参加することができる機能「ツイキャス・キートス」(以下、キートス)を2月28日にリリースしました。
第80回の記事でも挙げたように、個人のライブ配信者がマネタイズをする手段がなかったツイキャスは、なんらかの形でマネタイズができる手段が求められてきました。また、いわゆる投げ銭的な「ギフティング」の機能をもつライブ配信サービスにユーザー(特に配信者)が奪われていた現状です。
そんな背景があるなか、ツイキャスが示した答えは、多くのライブ配信サービスがもつ「ギフティング」機能ではなく、ライブ配信にクラウドファンディングの機能がついた「ライブファンディング」の形でした。投げ銭的ではない、さらに、事前審査を必要としない自由に企画(プロジェクト)をたてることで応援をしてもらえる、やや緩やかなファンディングの形式を採った理由がありそうです。
そして、懸念すべきところは、キートスがリリースされた直後から、機能の理念に沿った良質プロジェクトもあれば、そうでないものもあるように見受けられます。ツイキャスにリリースされた待望のマネタイズ手段。しかし、ユーザーが使い方を誤れば、せっかくの機能であるにも関わらず良くない印象も与えてしまいます。ユーザー(配信者)のモラルが問われている、と感じるのです。
この連載の記事
- 第117回 ニコニコとAbemaTV協業 アベマ側へのメリットは何?
- 第116回 LINE LIVEは中高生がスマホ1台でライブ配信できる世界を作った
- 第115回 サイバーエージェントのライブ配信が事実上サービス終了へ
- 第114回 ニコニコの止まらぬプレミアム会員減少 だからこそ新事業の成長に注目
- 第113回 ゲーム実況者におすすめの機材 ローランドの新ビデオミキサー
- 第112回 約7万円のライブ配信機材「Liveshell X」が絶対的にオススメな理由
- 第111回 ライブ配信で万引き減った弁当店から考える「生中継カメラ」の絶大な効果
- 第110回 ローランドの新製品には現場の人が求める機能が搭載されている
- 第109回 世界のゲーム実況が集う「Twitch」が日本でメジャーになるために必要なこと
- 第108回 Twitterのライブ配信機能は企業から敬遠されていた
- この連載の一覧へ