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フクロウの声が聞こえる(完全生産限定盤) |
いつもは編集後記から始まり、後半に音楽紹介が続く本連載ですが、今回は音楽からスタートします。たまにはアリかなと思って。
小沢健二のニューシングルはSEKAI NO OWARIとのコラボレーション。この組み合わせ、意外だと思った人は多いはず。新譜の歌詞から引用するなら「ベーコンといちごジャムが一緒にある世界」とでもいえましょうか?
「フクロウの声が聞こえる」は、まさしく最近の小沢健二とSEKAI NO OWARIの音楽をそのまま一緒にしたような、ミュージカル風の壮大で幻想的なナンバー。2組ならではの強烈な化学変化が起きているかと言われると意見は分かれそうですが、それほど相性が悪いとは感じませんでした。異物感があまり無いことに驚いたほど。
一方、完全に小沢健二ソロ名義の「シナモン (都市と家庭)」は、ここ数年の1980年代音楽の再評価を横目に見ているのかどうなのか、「Eclectic」の音をよりダンサブルにしたような作風。そこはかとない1990年代の雰囲気もあって、このあたりは意識的なのでしょうか。
小沢健二単体の方が良かった……という声もあるようですが、「シナモン (都市と家庭)」の“らしさ”よりは、むしろ新機軸とも思える「フクロウの声が聞こえる」の方が新鮮に聴こえました。実際、個人的には後者が気に入っています。
さて、小沢健二のシングルは今年2枚目。前作「流動体について」は、1998年の「春にして君を想う」以来19年ぶりのCDシングルでした(CDと断ったのは理由があって、配信を入れると2010年の「シッカショ節」があります)。その間には、およそ20年が経っているわけです。そう考えると、自分も年を取ったな、と感じます。
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流動体についてUniversal Music =music=
筆者は1986年生まれでして、ちょうど30歳。そうなると、やはり「年だな」と思うこともないでもない。「30歳なんてまだまだ若いだろう」と思う人もいるかもしれませんが、とはいえ人生は一度きりで、他でもない自分の人生ですから、若い若いと言われても、年を感じることはある。
だいたいこういうものは、自分自身の何かではなく、他人のことを見たり聞いたりして気付く。「えっ、あの人が大人に!」とか、「えっ、あれが懐メロ扱いに!」とか、「えっ、○○年ぶり!」とか、そんなショックを受けて、時間の経過を理解するものです。
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