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MCコジマのカルチャー編集後記第355回

松屋「ごろごろ煮込みチキンカレー」という魔術的リアリズム

2018年04月04日 08時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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 松屋フーズが展開する「松屋」は「ごろごろ煮込みチキンカレー」を4月3日から全国の店舗で発売しました(一部店舗をのぞく)。価格は590円(大盛は690円)。テイクアウトも可能です。

 やや辛めの松屋オリジナルカレーに、鉄板で焼き上げた鶏もも肉をプラスした、その名の通りごろごろした具材がうれしいメニュー。2017年6月に初登場して好評を博し、アスキー編集部にも発売中は足しげく松屋に通っていた編集部員も多数いました。筆者もその例に漏れません。

 松屋には、かつて「ごろごろチキンカレー」というメニューが存在しました。松屋のカレーに、鉄板で焼いたチキンを入れただけといえばそうなのですが、まだお互いのことをよく知らない2人が付き合い始めたような初々しいおいしさがありました。とりあえず一緒になってみようか……で、なかなかうまくいっている感じといいましょうか。

 一方、ごろごろ煮込みチキンカレーには、「煮込み」という過程を経たことで、付き合いだして同棲も経験し、お互いのよいところもわるいところもわかったうえで、共に歩んでいるような、強い結びつきが生まれたように思えます。

 さながら、牛丼チェーンに生まれた魔術的リアリズムのメニューといってもよいでしょう。土着的な松屋の鉄板焼きチキンとカレーの組み合わせは、煮込みによる幻想の過程を経て融合したのです。

 中には「もっとおいしいカレーがある」と主張する人がいらっしゃいますが、やや乱暴な言い方をしてしまえば、愚か、という一語で片付けてしまうことができしょう。“松屋の”ごろごろ煮込みチキンカレーということに価値がある。

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