国内でサービスが展開されているライブ配信メディアは規模が大きなものから小さなものまでありますが、競争に敗れ、撤退や停止したサービスが既に存在している一方で、新規に参入をしてくるサービスもあり、(把握がしきれなくなるほど)目まぐるしい状況であることも確かです。
今回はスマートフォンから配信が可能な主要なライブ配信メディアのうち「ニコニコ生放送」「ツイキャス」「SHOWROOM」「takusuta」「Periscope」「Facebook Live」「LINE LIVE」を中心に、その特徴と、そこから見えるライブ配信メディアの「トレンド」を振り返っていきます。
ライブ配信メディアの特徴
リアルタイムのライブ配信を見逃してしまっても後から視聴することができる「アーカイブ」の機能はほとんどのサービスで実装されており、電波状況に応じて配信者側で「配信画質(クオリティー)の選択」ができる・できないはサービスによって分かれているものの、何も考えず手軽に配信をしたい人にとっては、この辺はあまり重要な要素ではないのかもしれません。
「配信可能な時間」「延長をできる・できない」も配信時間の制限が無かったり、配信可能な時間が短くても(アイテムを集まるなどの方法によって)延長できたり、それぞれで対応が分かれていますが、8月から個人でも配信が可能になった「LINE LIVE」はユーザーからの要望によって8月末より1回のライブ配信時間が30分→1時間、アーカイブ保存期間も30日間→無制限へ変更となるなど、先行していたサービスにあわせてくる動きが見られます。
これら7つのサービスを見比べていくと、実は、これら3つの機能面(アーカイブ・配信クオリティー選択・配信可能時間)では大きな違いは無くなってきたように感じられます。
ライブ配信メディアのトレンドの流れ
ただし、配信時(及び視聴時)の画面向きについては、時代の変化によってライブ配信メディアにおけるトレンドが移り変わっていることが伺えます。
先行していた「ニコニコ生放送」「ツイキャス」「SHOWROOM」は「横長」での視聴に対して、「takusuta」「Periscope」「LINE LIVE」は「縦長」視聴、「Facebook Live」は「正方形」となっており、テレビのような「映像は横長」というこれまでの考え方から、「スマートフォンでの視聴を前提とした縦長」となってきていることは特筆すべき点ではないでしょうか。
そして、この「横画面視聴」から「縦画面視聴」への流れと共に、ライブ配信メディアにおける変化があります。
それは「アイテム」→「アバター」→「フィルター」そして「スタンプ」です。
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