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「ライブ配信メディア完全解剖 〜過去と今、そして未来へ〜」第2回

個人配信可能になった「LINE LIVE」が他ライブ配信メディアに与える影響

2016年08月18日 18時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda

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 2015年12月10日から開始されたLINE株式会社のライブ配信メディア「LINE LIVE(ラインライブ)」。LINE株式会社が独自にもつチャンネルや有名アーティストや人気タレントなどのコンテンツプロバイダーによるチャンネル(以下「公式チャンネル」)に限定してサービスが展開されてきました。一方、サービス開始直後から「個人でも配信が可能となる予定」とのアナウンスがあり、長い間、個人ユーザーへの開放が待たれ、先週8月10日未明、LINE株式会社が提供するiOS/Androidアプリ「LINE LIVE」のバージョンアップによって、個人による配信が可能となっています(以下「マイチャンネル」)。

自分のチャンネルを作るには「LINE LIVE」アプリを起動後、画面右下のプロフィール設定画面へ。LINEログインをした後、好きなチャンネル名とプロフィール画像を設定するだけで簡単に作ることができます。既に利用しているLINEのアカウントとは別の名前・プロフィール画像で配信ができるので、必要があれば予め変更しておきましょう。

今回は
●個人も配信可能となったLINE LIVE(マイチャンネル)についての概要
●スマートフォン一台で手軽に利用することができるライブ配信メディアの代表格「ツイキャス」との仕様比較
●スマートフォンに特化したライブ配信メディアの勢力図に変化は現れていくのか?
をそれぞれ紹介していきます。

LINE LIVE(マイチャンネル)の概要

1、「縦長画面」配信が可能

緑の「ライブ配信」ボタンをタップすると「タイトル」「タグ」「カバー画像」「配信画質」「ライブ終了後に動画を公開するか?しないか?」「LINEアカウントおよびTwitterアカウントとの連携」を設定。「配信スタート」ボタンをタップすると上記の画面へ遷移します。ここではまだライブは開始されていないので、落ち着いて「画面の向き(縦・横)」「フィルタ」「LINEスタンプ」「インカメラアウトカメラ」を選んで右下の赤丸ボタンをタップすることに配信が開始されます。

 ややテレビ的な配信内容が主となる公式チャンネルは横長画面。それに対し、マイチャンネルは縦長画面で配信をすることが可能です。これは、縦長画面の配信が特徴のライブ配信メディアであるTwitterの「Periscope(ペリスコープ)」に少し似ているかもしれません。

 縦長画面か? 横長画面か? は配信者や視聴者の好みが別れますが、配信者自身がスマートフォンを目の前に置き、視聴者とのトークとコメントの掛け合いによって内容が展開されていくような「セルフィー(自撮り)配信」には縦長画面の配信のほうが親和性がありそうです。

もちろん、横長画面の配信を配信開始前に選択することができます(ただし、配信途中に変更することはできないので注意)

2、フィルター

 マイチャンネルの特徴のひとつ目は12種類の「フィルター」。Instagram(インスタグラム)で写真をワンボタンで手軽に加工してオシャレにするように、配信画面全体を「モノクロ」「パステル」「ミルクスキン」など予め用意されたフィルターを使って配信画面をオシャレに変えることができます。これは、サイバーエージェントのライブ配信アプリ「takusuta(タクスタ)」においても同様の機能が実装されており、特に、女性の配信者が積極的に活用されているように見受けられます。LINE LIVEでも同様に使っていく人が多そうです。

フィルター「モノクロ」をかけることによって画面の色味を白黒へ

3、LINEスタンプ

 そして、ふたつ目の特徴は顔を映すことによって、顔の動きや表情に合わせて変わる顔認識の「動くLINEスタンプ」。リボンがついたカチューシャなど、可愛らしいスタンプを選ぶことに(わたし自身をはじめ)男性の配信者は少し躊躇してしまいそうな機能ですが、約50種類もあるさまざまな動くスタンプで素の表情を少し隠してみたり、つい笑ってしまいそうなアクションがついたスタンプをひとつ選んでみるのも楽しみのひとつかもしれません。

顔認識のLINEスタンプはなかなか恥ずかしいところもあるが、ほっぺに抱きつかれてるこのスタンプは男性でも使えるかも……?

4、視聴者からのレスポンスはコメントや「ハート」「ギフトアイテム」

 ほかのライブ配信メディアと同様に視聴者はコメントを送ったり、「ハート」ボタンを押すことや「ギフトアイテム」を送ることによって視聴者が配信者に対して「イイね!」的なエールを送ることができます。

「ギフトアイテム」はLINE LIVE内で利用できる電子通貨「LIVEコイン」を購入することによって、視聴者は配信者に対してギフトアイテムを贈ることができます(贈ることによって、配信者のファンランキングに入りやすくなります)

ツイキャスとLINE LIVE(マイチャンネル)の主な仕様比較

 いまではさまざまなライブ配信メディアがひしめき合い、既に淘汰も始まっています。そんな厳しい時代となっている中、個人が配信することができるサービスの代表は「ツイキャス(Twitcasting LIVE)」でしょう。スマートフォン一台で個人が手軽に配信できるサービスのハシリとなった「ツイキャス」は開始から7年以上の月日をかけ、配信そのものの安定性や、いまでは当たり前となった視聴者が配信者に対してアイテムを投げる仕組みを早くから採用したサービスであるといえます。ツイキャスとLINE LIVE(マイチャンネル)の主な仕様を比べ、気がついた点をいくつか挙げてみます。

1、配信可能時間は「30分」

 ツイキャスとの違いはありませんが、視聴者からのアイテム(コンティニューコイン)を集めることで最大4時間まで配信を延長することができる一方、LINE LIVE(マイチャンネル)は延長をすることができません。再度、新規の配信を開始することが必要になります。

2、配信した動画の録画視聴は「30日間」

 配信した動画はLINE LIVEのサーバーに自動で保存され、録画の公開・非公開を選択することができます。ただし、録画視聴が可能な期間は配信終了日時から30日間。一方、ツイキャスは特定の条件を満たせば録画視聴の期間に制限はありません。

3、音声のみのラジオ配信は「非対応」

 ツイキャスでは配信者自身の顔出しを避けたい場合やアーティストが音楽に特化した配信を行ないたい時の配信モード「ラジオ配信(映像を使わない配信)」が活用されますが、LINE LIVEでは対応していません。

4、配信ソフトウェア(外部エンコーダー)は「非対応」

 LINE LIVE(マイチャンネル)の配信はiOS(iPhoneなど)やAndroid OSのスマートフォンアプリからのみ配信をすることができ、「Wirecast」や「FMLE」「OBS」といった配信ソフトウェア(外部エンコーダー)から配信をすることはできません。

 そのほか、ツイキャスでは帯域制限がかかった回線や不安定な回線に対応した配信モードがあることに対し、LINE LIVE(マイチャンネル)では回線の帯域制限時や不安定時に対応した配信モードはありません。非常に細やかな部分ではありますが、配信者側からの立場から考えると、改善を希望する部分も多く感じられます。

※仕様は2016年8月10日現在のものに基づいており、なんらかのアップデートによって仕様が変更されることがあります。

LINE LIVE(マイチャンネル)で選択することができる配信画質は「HD画質」「高画質」「普通画質」の三種類。配信開始前に選びます。「HD画質」を選ぶとパソコンで全画面視聴してもかなりクオリティーが高い映像を見せることが可能。

LINE LIVEに期待・注目したいこと

 とはいえ、LINE LIVEにおける個人ユーザーへの開放は始まったばかり。多少の問題点はこれから順次改善されていくことでしょう。配信を実際に体験した上で感じたこと、そして、期待したいことがふたつあります。

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