鉄骨計測を15分から15秒へ短縮、ニコンの精密計測技術による建設DX
株式会社クロスセクターは10月22日、建設現場の鉄骨建方工程における位置測定を自動化する建築センシングサービス「Frame Finder」の実証・導入状況を公表した。同社はニコン初のスピンオフ企業として2025年に設立されたスタートアップで、現在、大手建設会社を中心に30件以上の現場で本システムの試験導入や実証実験を進めている。
建設現場における鉄骨の組立作業では、柱の位置や傾きを測定し、微調整や固定を行う作業が繰り返し発生する。熟練の測量技能者不足が進む中、高精度な品質管理を維持しながら作業を効率化することが課題だった。
「Frame Finder」は、ニコンで培われた精密計測技術をもとに開発されたシステムだ。初回に従来の測量機で測定した柱頭位置を基準に、建て入れ直しや溶接などの各工程で生じる柱頭位置の変化を、設置したセンサーで自動計測する。同社によれば、従来の測量機による手動計測では鉄骨柱1本あたり約15分を要していた作業を約15秒へと短縮できたという。また、高さ12mの鉄骨柱において1mm以内相当という測定精度を確認。技術開発元のニコンは、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(2025年2月発効)を取得している。
計測データはクラウドへ自動保存され、現場の端末から結果を確認可能。管理者による進捗確認や工程承認のデータとして共有・活用できるほか、手作業による記録や転記の負担・ミスを減らし、品質管理の信頼性向上に寄与するという。
同社は現在、鉄骨計測にとどまらず、山留壁やトラス構造、橋梁などのインフラ計測への導入も進めている。なお、ニコンからの技術スピンオフによる社会実装と事業展開を加速させるため、センサーの増産や組織体制の強化、鉄骨の自動調整機構の開発を目的に、シードからシリーズAにおいて融資を含む累計7.7億円の資金調達を実施したことも明かしている。
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