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小さな箱型ロボット1台から導入できる「止まらない自動倉庫:NINBUS」

 株式会社ROMSは8月26日、独自のPhysical AI「ROMS Physical AI」を搭載した新型「3次元走行型ケース自動倉庫」として、新製品「NINBUS(ニンバス)」を発表した。本製品は、1台のロボットが倉庫内を立体的に走行・昇降・搬送するハードウェアと、複数台の3次元走行ボット群をリアルタイムに最適制御するソフトウェアを融合させた次世代の自動倉庫ソリューションだ。同社は9月8日から11日まで開催される「国際物流総合展2026」にて、実機の初公開と動体デモンストレーションを実施する。

既存倉庫の狭小空間や変形地にどう適応するか?

棚にのぼって荷物を移動するNINBUS

 物流や製造の現場では、深刻な人手不足と、保管スペースの不足が課題となっている。これらを解決するためにロボットや自動倉庫の導入が検討されてきたが、従来の大型設備(特に市場の主流である海外製システム)は、大型倉庫を前提としたものが多く、日本の一般的なビル型倉庫や天井が低い既存の倉庫には導入できないケースが多かった。

 そこでROMSは、海外製の大型ソリューションでは対応しきれなかった「狭い」「天井が低い」「形がいびつ」といった日本でありがちな条件下の現場でも設置できる新機種として「NINBUS」を開発した。

狭いスペースや変形地でも柔軟な設置が可能

 コンセプトは、フォークリフトが1台あるのが当たり前のように、ロボットが1台ある現場だ。大がかりな工事をして倉庫全体を作り替える必要はなく、ロボット1台・棚1連という最小単位からスモールスタートできる。さらに、機器の買い切りだけでなく「月額定額制(サブスク型)」での利用も想定されており、初期費用を抑えて手軽に導入できるのが大きな特長となっている。

4列保管「クワトロディープ」と「自律分散AI」の役割

 従来の自動倉庫は、棚から箱を引っ張り出すロボットと地面を走って運ぶロボットが別々に分かれていることが多く、構造が複雑になりがちだった。しかし、NINBUSは、1台のロボットが「棚を登る・箱を取り出す・地面を走って搬送口まで運ぶ」という一連の動きを1台でこなす。

 さらに、棚の奥行き方向に箱を4箱並べて保管できる「4列保管(クワトロディープ)」を採用。押し入れの奥に荷物を入れると取り出しにくくなるのと同様、通常は奥に置くほど取り出しに時間がかかるが、NINBUSは一回で奥まで手が届く独自の機構を開発し、「たくさん詰め込めて、取り出しも速い」という両立を実現した。

 また、頭脳となるAIは、倉庫内をいくつかのエリアに分け、それぞれのロボットに指示を出す「自律分散型」という方式をとっている。例えるなら、カーナビが渋滞の予兆を察知して事前に抜け道へ誘導してくれるような仕組みだ。ロボット同士が混雑するのを未然に防ぎ、倉庫全体をスムーズに動かし続ける。

1台停止でも稼働を継続する「迂回アルゴリズム」

 物流・製造インフラにおいて、システムの停止は当日の出荷計画を狂わせる致命的な損失につながる。NINBUSでは、システムを区画ごとに自律制御しているため、万が一特定区画やボットに異常が生じても、隣接する区画が即座に役割を補完して全体停止を回避する。また、パーツには汎用品を積極的に採用し、機体に過度な負担をかけない機構設計にすることで故障時のパーツ交換やメンテナンスを容易にしている。

 NINBUSはEC・3PL(Third Party Logistics:企業の物流業務全体を一括して請け負う外部業者)のピッキング拠点にとどまらず、製造業の部品倉庫や工場内物流での活用を強力に見据えている。同じ棚とボットが、呼び出す順序と戻す先を変えるだけで保管やピッキングだけでなく、生産ラインへの「順立て供給」や「工程間バッファ(仕掛品一時保管)」といった複数の役割を1システムで兼ねられるため、既存工場を大きく作り替えることなく小さく横展開していくことが可能だ。

小規模導入から高密度保管を実現する新たな選択肢

 これまで自動倉庫といえば、「何億円もの大きな投資と広大な専用スペースを用意できる大手企業のもの」というイメージが強かった。「ロボット1台・棚1連」から導入でき、ビル用エレベーターでも搬入可能なコンパクトさを持つ「NINBUS」は、建物の制約が多い日本の現場において、手軽かつ省人化・省スペース化に向けたアプローチとなる。

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