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【調査】組織再編8.3万件の72%は「合併」 ── 伸び率は株式交換が突出、10年で約5.9倍

PR TIMES

株式会社Compalyze
1社で最大163社を吸収する「ロールアップ」では、調剤薬局チェーンが存続側ランキング上位を独占






法人データベース「Compalyze(カンパライズ)」を運営する株式会社Compalyze(本社:滋賀県草津市、代表取締役:鈴木隆士)は、官報や電子公告(WEB)などの公告から確認できる組織再編情報(会社合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付など)をもとに、2026年6月時点で確認・集計できた累計82,594件を種別・年次・存続会社などの観点から分解する調査を実施しました。

その結果、合併・会社分割は2016年の6,229件から2025年の8,754件へと約1.4倍に増えた一方で、種別ごとの伸び率では株式交換が2016年の71件から2025年の416件へと約5.9倍に突出し、1社が数十社を吸収する「ロールアップ」の存続側ランキングでは調剤薬局チェーンが上位を独占していることが分かりました。

■ データ引用時のお願い
本調査データを引用・利用される際は、以下のURLと出典を明記してください。
URL:https://compalyze.co.jp/journal/corporate-restructuring-trend
出典:組織再編8.3万件を分解する ─ 件数の主役は「合併」、いま伸びるのは「株式交換」と「ロールアップ」

■ 調査サマリ
- 合併・会社分割は2016年6,229件→2025年8,754件と約1.4倍。官報・WEB等の公告から確認・集計できた組織再編は累計82,594件(全数ではなく捕捉できた範囲)。
- 種別では会社合併が59,401件(72%)で最多。会社分割が19,660件(24%)、株式交換・株式移転・株式交付など約3,500件(4%)と続く。
- 伸び率が突出するのは株式交換で、2016年71件→2025年416件の約5.9倍。現金を用意せずに子会社化できる手法が台頭。
- 1社が数十社を吸収する「ロールアップ」の存続側ランキングは調剤薬局チェーンが上位を独占(最多は163社の吸収合併)。
- 会社分割の受け皿が「ホールディングス」になる動きも2016年47件→2024年223件と約4.7倍。受け皿全体に占める割合は4.5%から10.3%へ上昇。
- 本数値は株式譲渡を含むM&Aの全体像ではなく、官報・WEB等の公告から確認できる「合併・分割・株式交換」等を中心とする組織再編の件数。


■ 組織を「組み替える」動きは増えている

合併と会社分割の件数を年ごとに数えると、2016年の6,229件から2025年には8,754件へと増えていました。

日本の会社の数自体も緩やかに増えているため、会社数の増加だけで説明できるかは母数調整後の検証が必要ですが、件数として見れば組織を組み替える動きは増えています。


図:合併・会社分割の件数の推移(Compalyze調べ、2016~2025年)

内訳をみると、土台を支えているのは会社合併です。毎年5,000~6,000件台で推移し、2025年は6,342件でした。

会社分割は1,300~2,400件台で動き、2019年は889件と低かったものの、その後は2,000件超の年が続きます。データ上は、合併で会社をまとめる動きと、分割で事業を切り出す動きが、ともに増える傾向が見えます。

■ 2. 件数の主役を分解する:多いのは「合併」、伸びるのは「株式交換」

集計できた組織再編は、累計で82,594件にのぼります。種別でみると、会社合併が59,401件で全体の72%を占め、会社分割が19,660件で24%。残りは株式交換・株式移転・株式交付など約3,500件(4%)です。


図:組織再編の種別構成(Compalyze調べ)


合併が多数を占めるのは、その用途の広さによります。グループ内で重複する子会社を一つにまとめる、買収した会社を吸収する、休眠会社を整理するといった場面で、いずれも合併が使われます。会社分割は、事業に関する権利義務を既存会社または新設会社に承継させる手法で、事業承継のために収益事業と資産保有を分けたり、特定事業を売却しやすい形に整えたりするときに用いられます。


図:組織再編の種別ごとの年次推移(Compalyze調べ、2016~2025年)

ただし、「件数が多い」ことと「件数が伸びている」ことは別です。種別ごとに年次推移を並べると、その違いがはっきり見えます。合併と会社分割は規模こそ大きいものの、この10年でみれば緩やかな高止まりに近い動きです。これに対し、株式交換は2016年の71件から2025年の416件へと約5.9倍に増えていました。

株式交換は、買収側が自社の株式を対価として相手企業を完全子会社にする手法で、現金を用意せずに子会社化できる点が特徴です。2021年に新設された株式交付(自社株式を対価に他社を子会社化する手法)も2025年は49件まで増えています。件数の絶対数では合併・分割が依然として主役ですが、伸び率という観点では、株式を対価とする再編が台頭していることがデータに表れています。

■ 「ロールアップ」の主役は調剤薬局 ─ 1社で数十社を吸収

合併を「吸収する側(存続会社)」の視点で集計すると、もう一つの構造が浮かび上がります。同じ会社が、数十社を次々と吸収合併していく「ロールアップ」です。存続側として最も多くの会社を吸収していたのは、大阪府茨木市に本店を置く株式会社ウィーズで、累計163社。次いで愛知県のオートバイ販売・株式会社レッドバロンが137社、北海道の株式会社アインファーマシーズが96社と続きます。


図:吸収合併の存続側ランキング(Compalyze調べ)


特徴的なのは、上位を調剤薬局チェーンが占めている点です。首位のウィーズ、3位のアインファーマシーズ、そして総合メディカル(福岡・32社)はいずれも調剤薬局を展開する企業群です。

調剤薬局業界は、個人経営や地域チェーンが多く、後継者問題や薬価改定・経営環境の変化を背景に、大手チェーンが地域の薬局を引き受けて統合していく動きが続いてきました。その受け皿として吸収合併が繰り返し使われ、存続側に件数が積み上がっているとみられます。

ロールアップは、分散した事業者を一つの経営にまとめて効率化や規模の利益を狙う成長戦略の一形態であり、その軌跡が件数として可視化された形です。

調剤薬局以外では、合同会社DMM.com(37社)、トヨタモビリティパーツ(34社)、富士通(33社)、JTB(23社)など、グループ内の子会社を整理・統合する大手企業の名も並びます。同じ「吸収合併」でも、外部の事業者を引き受けるロールアップ型と、グループ内を整理する型の両方が混在しています。

なお、本ランキングからは、漁業協同組合・農業協同組合・漁船保険組合・信用基金協会といった「系統統合」(業界・地域の組合が法令や制度に基づいて広域合併するもの。日本漁船保険組合45件、愛媛県漁業協同組合44件など)と、宗教法人の合併(神社の合祀など)は分離して除外しています。これらは企業の成長戦略としてのロールアップとは性質が異なるためです。

■ 会社分割の受け皿が「ホールディングス」になる動き

会社分割にも、もう一段の構造変化が見えます。分割で事業を承継させる先(受け皿)の会社名に「ホールディングス」を含むケースを数えると、2016年の47件から2024年には223件へと約4.7倍に増えていました。

受け皿全体に占めるホールディングスの割合も、4.5%から10.3%へと上昇しています。

これは、事業会社が自社の事業を会社分割で子会社に承継させ、自らは持株会社(ホールディングス)として残る、いわゆる持株会社体制への移行で会社分割が使われていることを示唆します。

Compalyze が以前に分析した「ホールディングス」社名の増加とも、同じ構造変化の別の側面とみられます。会社分割は単なる事業の切り出しにとどまらず、グループの統治構造そのものを組み替える手段としても使われています。

■ この数字が映すもの、映さないもの

組織再編が増えている背景として想定されるのは、経営者の高齢化に伴う事業承継、後継者不在の会社を引き受けるM&A、グループ全体での経営効率の追求、そして持株会社体制への移行といった流れです。これらは件数から直接示せる因果ではなく、背景の仮説です。

そのうえで、この数字が何を捉えていて、何を捉えていないかを押さえておく必要があります。ここで数えているのは、合併や会社分割のように官報・WEB等の公告から確認できる組織再編です。

世の中でM&Aと呼ばれる取引の多くは、会社の株式を買う「株式譲渡」の形をとり、その場合は会社の器そのものは変わらないため、組織再編の公告には現れません。つまり、この8.3万件は日本のM&Aの全体像ではなく、「会社の形そのものを組み替えた」動きに絞った数字です。

■ まとめ:件数の裏にある主体と手法のシフト

組織再編は10年で約1.4倍に増えた、という一行だけでは、最も大きな変化を見落とします。

件数の絶対数では合併が主役ですが、伸び率では株式交換が約5.9倍と突出し、現金を使わない子会社化が広がっています。合併の存続側を見れば調剤薬局チェーンが地域の薬局を束ねるロールアップが進み、会社分割の受け皿はホールディングスへとシフトしています。

「件数」という一つの数字の裏で、誰が、どの手法で会社を組み替えているのか。そこに、日本企業の構造変化が表れています。

※本リリースでは主要な切り口のみを掲載。各章の詳細考察、算出方法の詳細は、下記の Compalyze Journal の記事で公開しています。

▶全データ・分析の詳細はこちら
組織再編8.3万件を分解する ─ 件数の主役は「合併」、いま伸びるのは「株式交換」と「ロールアップ」



■ 調査概要

【調査主体】
株式会社Compalyze

【調査対象・方法】
官報や電子公告(WEB)などの公告から Compalyze が確認・集計した組織再編情報(会社合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付など)。
1件の再編に複数の当事会社が関わるが、再編イベントを1件として数え、種別の件数は再編の種別区分ごとに集計した。ロールアップは吸収合併の存続側(事業を承継する側)の会社ごとに件数を集計し、漁業協同組合・農業協同組合・漁船保険組合・信用基金協会等の系統統合(制度・法令に基づく広域合併)と宗教法人の合併は、企業の成長戦略としてのロールアップとは性質が異なるため除外した(業種は Compalyze の業種分類および各社の公開情報による)。
ホールディングス化は、会社分割で事業を承継させる先(受け皿会社)の名称に「ホールディングス/ホールディング/HD/Holdings」を含む件数を、受け皿が登記マスタに紐づくものを母数として集計した。

【母集団・件数】2026年6月時点で確認・集計できた82,594件(登記上の取消・無効等として識別できたものを除く。日本で行われた組織再編を網羅した全数ではなく、捕捉できた範囲)。年次の推移は2016年~2025年を対象。組織再編の年が連続して追えるのは、法人番号制度が始まった2015年10月以降になる。

【留意点】本リリースの「組織再編」は、官報・WEB等の公告から確認できる合併・会社分割・株式交換等を指す。株式譲渡によるM&A(会社の器が変わらない取引)は含まれず、M&A全体の件数を示すものではない。組織再編が増えている背景(事業承継・M&A・経営効率の追求・持株会社体制への移行など)は件数から直接示せる因果ではなく、背景の仮説である。消滅側企業の業種別や規模帯別の集計は、消滅会社側の業種・規模情報が十分に取得できないため行っていない。


■ Compalyze について

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■ 本リリースに関するお問い合わせ

Compalyze 広報窓口
メール:info@compalyze.jp
URL:https://compalyze.co.jp
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