スペースデータ、宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」リリース 衛星やデブリなどの観測データを統合監視
株式会社スペースデータは6月22日に、宇宙空間の脅威を統合的に監視・分析・予測するという宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain(スペースブレイン)」をリリースした。人工衛星やスペースデブリ(宇宙ごみ)、ロケット、小惑星、宇宙天気、飛翔体などさまざまな観測データを統合し、AIなどによる軌道予測、異常検知、衝突リスク評価、脅威分析等を実施。これにより、従来は個別に管理・分析されていた情報を横断的に把握し、宇宙状況把握(SSA)および宇宙領域把握(SDA)、宇宙交通管理(STM:Space Traffic Management)などに必要な意思決定を支援するとしている。
同社によると、近年、人工衛星の急増による軌道の混雑やスペースデブリの増加など、宇宙空間における脅威とリスクが拡大しているという。日本政府も「宇宙基本計画」および「宇宙安全保障構想」において「宇宙空間の安全かつ安定的な利用の確保」を掲げ、SDA体制の充実やスペースデブリ対策、STMの推進を重点課題に位置づけているそうだ。
一方で、こうした宇宙の状況を把握する仕組みは、用途や組織ごと別々のツールに分断されている実情があるとのこと。全体を俯瞰する共通の「宇宙の見取り図」が存在しないため、状況の把握から判断までに時間がかかり、変化への対応が難しいとの課題があるという。同社では「SpaceBrain」を通じてスペースセーフティ(宇宙安全)およびスペースセキュリティ(宇宙安全保障)を支援し、宇宙レジリエンスの向上を目指すとしている。
「SpaceBrain」では、空間(地球低軌道から静止軌道、地球と月のあいだのシスルナ圏まで)、用途(SSA・SDA・STM・惑星防衛・宇宙天気・飛翔体把握など)、対象(人工衛星・ロケット・スペースデブリ・小惑星・飛翔体など)といった複数のデータを、一つの基盤に統合する。
観測データの統合・可視化だけでなく、異常の検知や接近イベント(コンジャンクション)の予測、人による意思決定の支援まで、同じ基盤上で提供するとのこと。従来分断されていた「観測 → 判断 → 行動」を、一つにつなぐとしている。
また、同社が強みとするAIアルゴリズムで広域のデータを処理する技術を応用し、衛星・デブリ・小惑星・宇宙天気・飛翔体など異種のデータを高速かつ軽量に統合するとのこと。膨大で複雑な宇宙データを、ユーザーがすぐに判断できる形へ変換するとしている。
同社は、「SpaceBrain」のデモ環境(https://spacebrain.org)を公開している。軌道上の人工衛星やスペースデブリ、接近イベント、宇宙環境の状態を一つの画面で把握する「共通(作戦)状況図」のイメージを確認できるとのこと。
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