ごきげんよう、アスキーグルメのナベコです。
この時期になると、なんだか呼ばれている気がします。そう、鍋の季節。ナベコだけに。
寒くなってくると、アツアツで、野菜もたっぷりとれて、幸せな気分になれる鍋はまさに救世主。近年は牛丼チェーンの“ひとり鍋”がすっかり定着して、ランチでも気軽に鍋が楽しめるようになりました。
定番はすき焼き味ですが、毎年ちょっと変わった鍋も登場するので、新味も見逃せません。
というわけで、今年の牛丼チェーン鍋界隈をナベコがウォッチング。注目の3社を食べ比べました!
無性にうまい、吉野家の牛すき鍋膳
牛丼チェーンで“鍋”を始めたのは吉野家。2013年に「牛すき鍋膳」を発売して以来、冬の定番として不動の人気を誇ります。固形燃料を使った卓上コンロで提供するスタイルは、当時としては画期的でしたが、いまやすっかり定着しましたね。
今年は定番の「牛すき鍋膳」に加えて、「とんこつ醤油牛鍋膳」が新登場。まずは定番からいきましょう。
王道の「牛すき鍋膳」
▲牛すき鍋膳 店内899円、テイクアウト883円
吉野家の「牛すき鍋膳」は、大判の牛肉に白菜、ねぎ、豆苗、豆腐、きしめんと具材たっぷりで、玉子付きです。お漬物が添えられているのも“膳仕立て”らしい構成です。
特徴的だなと思うのが「豆苗」で、食べる前からふわっと青い香りが立ちます。豆苗は白ネギに変わり2021年ごろから採用された具材で、仕上げにさっとのせるだけで提供できる利点もあるそう。
では牛すきを食べてみましょう。
ひと口食べてると──うまい。
甘辛味のお肉に、くたくたに煮えた白菜やねぎも、全部が主役級。やわらかな豆腐を大きくすくって口に入れると、思わず「熱っ」と声が出るほど。それもまた至福。玉子を絡めても、そのままでも、どちらもおいしいです。
そして、忘れてはいけないのが「きしめん」。2023年に太さが見直され、より切れにくく改良されています。ごはんと一緒に食べれば、炭水化物×炭水化物の背徳的コンボが完成。
おつゆは牛丼とは異なる専用の味つけで、個人的には“甘み”が具材の旨さを引き立てているように思います。そして何より、店内ではごはんの大盛・おかわり無料という太っ腹仕様。アツアツの鍋を突っついているうちにごはんがなくなっている、まさに、冬の至高の鍋です。
新作「とんこつ醤油牛鍋膳」
▲ばり嗎監修とんこつ醤油牛鍋膳 店内899円、テイクアウト883円
もうひとつの注目は、グループ内のラーメンチェーン「ばり嗎(ばりうま)」とコラボした新商品「とんこつ醤油牛鍋膳」。吉野家がラーメンブランドとコラボするのは今回が初めてです。
豚骨と鶏ガラをじっくり炊き上げ、醤油のコクを重ねた濃厚スープが特徴。別添えの「にんにくマシマシだれ」を加えて味変を楽しめます。
名前からジャンクな味を想像していたのですが、意外にもまとまりのある“味噌鍋”のような印象。豚骨のまろやかさが味噌のようなコクを感じさせ、ごはんにも合うしっかりした味わいに仕上がっています。こういうところに、吉野家の“作り込み力”を感じますね。
「にんにくマシマシだれ」は、フライドガーリック・おろしにんにく・刻みにんにく入りで、今年発売された「牛玉スタミナまぜそば」と同系のタレ。香りは強烈ですが、全体に混ぜると案外なじんでしまい、そこまでパンチは出ません。それでも、ふわっと立つガーリックの香りがたまらず、ついついレンゲが進みます。
・関連記事:
吉野家が人気ラーメンとコラボ!「とんこつ醤油牛鍋膳」が発売へ
吉野家初の“牛丼のアタマ”がのった「スタミマまぜそば」! ニンニクが想像以上に攻めている
すき家:しびれる旨辛!“麻辣湯鍋”がトレンドの波に乗る
吉野家を追いかけるように2014年に鍋を始めたすき家。こちらも冬の風物詩としてすっかりおなじみです。
定番の「牛すき鍋定食」
▲牛すき鍋定食(たまご1個) ごはんミニ900円/並盛930円/ごはん大盛980円
定番は「牛すき鍋定食」。牛肉をはじめ、白菜、青ネギ、ニンジン、白滝、うどんなど具材たっぷり。もちろんたまご付きです。
ひと口食べると、吉野家の鍋とはまた違い、こちらは“醤油”のキレが感じられる味わい。どこか牛丼に近い親しみやすさがあります。野菜が多いのも特徴で、白菜や青ネギなどしっかりとした食感が楽しめ、1食で野菜175g以上(1日の摂取目安の半量)をとれるというのも嬉しいポイント。
個人的には、吉野家の「牛すき鍋膳」が持つ“悪魔的うまさ”と比べると、もう少し落ち着いた印象。ただ、安定感があるおいしさで、日常のごはんとして毎日食べたくなる親しみやすさでした。
今年のダークホース「牛・胡麻麻辣湯鍋定食」
▲牛・胡麻麻辣湯鍋定食 ごはんミニ950円/並盛980円/ごはん大盛1030円
そんなすき家が今年放った新作が、「牛・胡麻麻辣湯鍋定食」。これが想像以上の完成度です。
若い女性を中心に人気が高まっているという「麻辣湯(マーラータン)」をアレンジした鍋メニュー。
唐辛子と花椒をベースに、練り胡麻・すり胡麻・ピーナッツペーストを合わせたスープはコクがあって、まるで担々麺のスープのよう。別添えの「麻辣オイル」を加えると、花椒や五香粉、カルダモン、クミンなどの香りがふわっと立ち上がり、まるで火鍋を思わせる本格的な香り立ちに。
いただくと花椒の痺れる刺激。辛すぎるというわけではなく、個人的には「チリチリ」した心地よい辛さでした(辛いものが苦手な人は注意)。
もちもちの「じゃがいも春雨」もポイント。麻辣湯(マーラータン)らしさをしっかり再現していて、口に入れた瞬間に「これ、ほんとに牛丼チェーンの鍋!?」と驚きます。
SNS上では「想像以上に本格」「クセになる」と好評。人気のあまり一部店舗で品切れが出ているとの情報もあります(11月5日時点)。
・関連記事:
すき家の「麻辣湯鍋」はチリチリした辛さでクセになる!
すき家、話題の「麻辣湯」を鍋に! もちもちの春雨入り
松屋:卓上コンロはなくても、旨辛チゲで温まる
最後は松屋。こちらは卓上コンロスタイルではなく、鉢型の器で提供される「牛豆腐キムチチゲ」が冬の定番。2018年ごろに登場して以来、辛いもの好きな人から支持を集めています。私も辛いのが好きなので、毎年必ず食べているお気に入りメニュー。
定番の「牛豆腐キムチチゲ」
▲牛豆腐キムチチゲセット 780円
(ライス、生玉子or半熟玉子付き)
具材は牛肉、豆腐、キムチとシンプルですが、スープの味わいが奥深く、どうやら海鮮だしなどを加えているよう。辛いだけじゃなくてしっかり旨味もばっちり。身体の中から温まる旨辛です。
セットの玉子は生玉子か半熟玉子を選べますが、個人的には半熟派。チゲの熱でほどよくとろけた黄身が、スープの辛さをまろやかに包み込みます。
他チェーンの鍋に比べるとボリュームは控えめですが、そのぶんお財布に優しい設定。さっと温まりたい時の“アツアツランチ”として平日にもチョイスしやすい一品です。
・関連記事:もう冬!? 松屋の「牛豆腐キムチチゲ」が去年より1ヵ月早く始まる
2025年の冬鍋戦線、麻辣湯が風を起こす!
3社それぞれに持ち味があって、どれも違ってどれもいい! ただし、今年いちばんのニュースターは間違いなく「すき家」の“牛・胡麻麻辣湯鍋定食”。
エスニックの麻辣湯を再現しつつ、ちゃんと鍋として成立させていて、牛丼チェーンの鍋に新しい方向性を感じました。
この麻辣湯鍋定食、どうやら、11月5日の時点で、店舗によっては品切れも出ているようです(私の家の近くのすき家でも販売中止されていました)。気になっている人は早めに味わっておきましょう。
もちろん、吉野家の王道すき鍋、松屋の旨辛チゲも安定のうまさ。しかも、いずれも1000円以内で食べられるというのがありがたい! 寒い夜は、牛丼チェーンの鍋であったまりましょう。あなたはどの鍋派?
※記事中の価格は税込み

この連載の記事
-
グルメ
ジョイフルに「かきフライ」「鍋」など!ぽかぽか“冬の推しメシ“始まるよ -
グルメ
お待ちかね、吉野家「牛すき鍋膳」本日スタート! 今年は“とんこつ醤油”も -
グルメ
すき家、話題の「麻辣湯」を鍋に! もちもちの春雨入り -
グルメ
もう冬!? 松屋の「牛豆腐キムチチゲ」が去年より1ヵ月早く始まる -
グルメ
すき家の「麻辣湯鍋」はチリチリした辛さでクセになる! -
グルメ
【鍋祭】吉野家「牛すき鍋膳」はご飯おかわり無料!今なら10%オフだってよ -
グルメ
牡蠣の「たっぷり土手鍋うどん」がおいしそう! 海のミルクを堪能できちゃう -
グルメ
吉野家、まさかの「ラーメン鍋」を発売! “おかわり無料”のご飯のつき -
グルメ
こういうのアリ! 吉野家の「ラーメン鍋」なんとも言えない“ゆるさ”がたまらない - この連載の一覧へ



















