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チェーンの鍋が至福!ひとりでもつつきたい

すき家の“麻辣湯鍋”がダークホース! 今年の牛丼チェーン鍋界隈は?

2025年11月05日 17時30分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

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今年もひとり鍋の季節。

 ごきげんよう、アスキーグルメのナベコです。
この時期になると、なんだか呼ばれている気がします。そう、鍋の季節。ナベコだけに。

 寒くなってくると、アツアツで、野菜もたっぷりとれて、幸せな気分になれる鍋はまさに救世主。近年は牛丼チェーンの“ひとり鍋”がすっかり定着して、ランチでも気軽に鍋が楽しめるようになりました。

 定番はすき焼き味ですが、毎年ちょっと変わった鍋も登場するので、新味も見逃せません。

 というわけで、今年の牛丼チェーン鍋界隈をナベコがウォッチング。注目の3社を食べ比べました!

無性にうまい、吉野家の牛すき鍋膳

 牛丼チェーンで“鍋”を始めたのは吉野家。2013年に「牛すき鍋膳」を発売して以来、冬の定番として不動の人気を誇ります。固形燃料を使った卓上コンロで提供するスタイルは、当時としては画期的でしたが、いまやすっかり定着しましたね。

 今年は定番の「牛すき鍋膳」に加えて、「とんこつ醤油牛鍋膳」が新登場。まずは定番からいきましょう。

王道の「牛すき鍋膳」

▲牛すき鍋膳 店内899円、テイクアウト883円

 吉野家の「牛すき鍋膳」は、大判の牛肉に白菜、ねぎ、豆苗、豆腐、きしめんと具材たっぷりで、玉子付きです。お漬物が添えられているのも“膳仕立て”らしい構成です。

目の前でクツクツ……

 特徴的だなと思うのが「豆苗」で、食べる前からふわっと青い香りが立ちます。豆苗は白ネギに変わり2021年ごろから採用された具材で、仕上げにさっとのせるだけで提供できる利点もあるそう。

 では牛すきを食べてみましょう。

ごはんがとまらな~い!

 ひと口食べてると──うまい。

 甘辛味のお肉に、くたくたに煮えた白菜やねぎも、全部が主役級。やわらかな豆腐を大きくすくって口に入れると、思わず「熱っ」と声が出るほど。それもまた至福。玉子を絡めても、そのままでも、どちらもおいしいです。

 そして、忘れてはいけないのが「きしめん」。2023年に太さが見直され、より切れにくく改良されています。ごはんと一緒に食べれば、炭水化物×炭水化物の背徳的コンボが完成。

 おつゆは牛丼とは異なる専用の味つけで、個人的には“甘み”が具材の旨さを引き立てているように思います。そして何より、店内ではごはんの大盛・おかわり無料という太っ腹仕様。アツアツの鍋を突っついているうちにごはんがなくなっている、まさに、冬の至高の鍋です。

新作「とんこつ醤油牛鍋膳」

▲ばり嗎監修とんこつ醤油牛鍋膳 店内899円、テイクアウト883円

 もうひとつの注目は、グループ内のラーメンチェーン「ばり嗎(ばりうま)」とコラボした新商品「とんこつ醤油牛鍋膳」。吉野家がラーメンブランドとコラボするのは今回が初めてです。

初のコラボ

 豚骨と鶏ガラをじっくり炊き上げ、醤油のコクを重ねた濃厚スープが特徴。別添えの「にんにくマシマシだれ」を加えて味変を楽しめます。

テイクアウトで試してみました

 名前からジャンクな味を想像していたのですが、意外にもまとまりのある“味噌鍋”のような印象。豚骨のまろやかさが味噌のようなコクを感じさせ、ごはんにも合うしっかりした味わいに仕上がっています。こういうところに、吉野家の“作り込み力”を感じますね。

 「にんにくマシマシだれ」は、フライドガーリック・おろしにんにく・刻みにんにく入りで、今年発売された「牛玉スタミナまぜそば」と同系のタレ。香りは強烈ですが、全体に混ぜると案外なじんでしまい、そこまでパンチは出ません。それでも、ふわっと立つガーリックの香りがたまらず、ついついレンゲが進みます。

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すき家:しびれる旨辛!“麻辣湯鍋”がトレンドの波に乗る

 吉野家を追いかけるように2014年に鍋を始めたすき家。こちらも冬の風物詩としてすっかりおなじみです。

定番の「牛すき鍋定食」

▲牛すき鍋定食(たまご1個) ごはんミニ900円/並盛930円/ごはん大盛980円

 定番は「牛すき鍋定食」。牛肉をはじめ、白菜、青ネギ、ニンジン、白滝、うどんなど具材たっぷり。もちろんたまご付きです。

レンゲ専用の小さいお皿がなにげ嬉しい

 ひと口食べると、吉野家の鍋とはまた違い、こちらは“醤油”のキレが感じられる味わい。どこか牛丼に近い親しみやすさがあります。野菜が多いのも特徴で、白菜や青ネギなどしっかりとした食感が楽しめ、1食で野菜175g以上(1日の摂取目安の半量)をとれるというのも嬉しいポイント。

吉野家の鍋が「牛肉が主役」といったバランスでしたが、すき家は食感豊かな野菜がたっぷり

 個人的には、吉野家の「牛すき鍋膳」が持つ“悪魔的うまさ”と比べると、もう少し落ち着いた印象。ただ、安定感があるおいしさで、日常のごはんとして毎日食べたくなる親しみやすさでした。

今年のダークホース「牛・胡麻麻辣湯鍋定食」

▲牛・胡麻麻辣湯鍋定食 ごはんミニ950円/並盛980円/ごはん大盛1030円

 そんなすき家が今年放った新作が、「牛・胡麻麻辣湯鍋定食」。これが想像以上の完成度です。

別添えの「麻辣オイル」付き

 若い女性を中心に人気が高まっているという「麻辣湯(マーラータン)」をアレンジした鍋メニュー。

 唐辛子と花椒をベースに、練り胡麻・すり胡麻・ピーナッツペーストを合わせたスープはコクがあって、まるで担々麺のスープのよう。別添えの「麻辣オイル」を加えると、花椒や五香粉、カルダモン、クミンなどの香りがふわっと立ち上がり、まるで火鍋を思わせる本格的な香り立ちに。

香りがちゃんと麻辣湯

 いただくと花椒の痺れる刺激。辛すぎるというわけではなく、個人的には「チリチリ」した心地よい辛さでした(辛いものが苦手な人は注意)。

 もちもちの「じゃがいも春雨」もポイント。麻辣湯(マーラータン)らしさをしっかり再現していて、口に入れた瞬間に「これ、ほんとに牛丼チェーンの鍋!?」と驚きます。

麻辣湯らしく、じゃがいもの春雨が入っています

 SNS上では「想像以上に本格」「クセになる」と好評。人気のあまり一部店舗で品切れが出ているとの情報もあります(11月5日時点)。

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松屋:卓上コンロはなくても、旨辛チゲで温まる

 最後は松屋。こちらは卓上コンロスタイルではなく、鉢型の器で提供される「牛豆腐キムチチゲ」が冬の定番。2018年ごろに登場して以来、辛いもの好きな人から支持を集めています。私も辛いのが好きなので、毎年必ず食べているお気に入りメニュー。

定番の「牛豆腐キムチチゲ」

▲牛豆腐キムチチゲセット 780円
(ライス、生玉子or半熟玉子付き)

 具材は牛肉、豆腐、キムチとシンプルですが、スープの味わいが奥深く、どうやら海鮮だしなどを加えているよう。辛いだけじゃなくてしっかり旨味もばっちり。身体の中から温まる旨辛です。

こちらはライス少なめで頼んでいます

 セットの玉子は生玉子か半熟玉子を選べますが、個人的には半熟派。チゲの熱でほどよくとろけた黄身が、スープの辛さをまろやかに包み込みます。

辛いけど、魚介の旨みも感じられます

 他チェーンの鍋に比べるとボリュームは控えめですが、そのぶんお財布に優しい設定。さっと温まりたい時の“アツアツランチ”として平日にもチョイスしやすい一品です。

・関連記事:もう冬!? 松屋の「牛豆腐キムチチゲ」が去年より1ヵ月早く始まる

2025年の冬鍋戦線、麻辣湯が風を起こす!

 3社それぞれに持ち味があって、どれも違ってどれもいい! ただし、今年いちばんのニュースターは間違いなく「すき家」の“牛・胡麻麻辣湯鍋定食”。

ごはんが欲しくなるおいしさで、ちゃんと鍋としておいしかったです

 エスニックの麻辣湯を再現しつつ、ちゃんと鍋として成立させていて、牛丼チェーンの鍋に新しい方向性を感じました。

 この麻辣湯鍋定食、どうやら、11月5日の時点で、店舗によっては品切れも出ているようです(私の家の近くのすき家でも販売中止されていました)。気になっている人は早めに味わっておきましょう。

 もちろん、吉野家の王道すき鍋、松屋の旨辛チゲも安定のうまさ。しかも、いずれも1000円以内で食べられるというのがありがたい! 寒い夜は、牛丼チェーンの鍋であったまりましょう。あなたはどの鍋派?

※記事中の価格は税込み

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