ティアフォー、パートナーの自動運転開発をサポートするスターターキット「DTVキット」を提供開始
株式会社ティアフォーは、パートナー企業が自動運転技術や車両の開発に取り組みやすくするためのスターターキットとして、「DTVキット」の提供開始を5月29日に発表した。同キットは、ティアフォーが開発を主導する自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」により動作が検証されており、無人配送車両を開発するスタートアップ企業であるWhale Dynamicとの協業で開発した車両「Drivable Test Vehicle(DTV)」を使用しているという。
同社では、クラウド技術を活用した開発運用に最適化したプラットフォーム「Web.Auto」や、開発パートナー認定プログラム「TIER IV Autoware Partner Program」を提供し、パートナー企業の自動運転技術や車両開発を支援している。
このプログラムを修了後、パートナー企業は「DTVキット」と「Web.Auto」を活用することで、習得した内容を実際の環境で検証できるという。これにより、車両準備や複雑な環境構築にかかる手間を削減し、実践的な開発や検証環境をスムーズに導入できるとしている。また、同キットは、車両を用いながら「Autoware」の使い方を習得したい、あるいは、「Autoware」をもとに開発した自動運転システムを車両を使って検証したい「Autoware」のユーザーにも適しているという。
「DTVキット」の主な特長として挙げられているのは以下の点。
・電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)とセンサーが車両と同期されているため、キャリブレーション作業が不要。
・自動運転ソフトウェアとして「Autoware」がプリインストールされているため、「Web.Auto」に接続するだけで、シミュレーション上での結果を実世界で検証するなど、迅速な開発運用サイクルの構築が可能。
・同キットで使用するECUやセンサーなどのハードウェアとソフトウェアは、一定の条件の下で個別の構成や機能として再利用可能。
・ティアフォーが開発し、ソフトウェアサポートをしている「Edge.Auto」の製品を搭載しており、実車検証後の量産車両への適用も視野に入れた開発が可能。
・センサーの変更や追加などを通じて、拡張性の高い開発が可能。
ティアフォーでは、同キットの提供をはじめとして、「Autoware」の普及に向けて関連キットを拡充していくとのこと。これにより、パートナー企業とともに自動運転の社会実装を促進していきたいとしている。