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研究論文などに基づいた情報をAIが医師に提供 医師の疑問に答える臨床ナレッジAI「Cubec」提供開始

 株式会社Cubecは、医師が抱える疑問に対して信頼性の高い情報を提供するという臨床ナレッジAI「Cubec」を開発し、5月19日からの提供開始を発表した。また、同サービスの開発を加速させるために、ANOBAKA、ライトアップベンチャーズからの第三者割当増資により6,000万円、並びに日本政策金融公庫、みずほ銀行からの借入により2,000万円、総額8,000万円の資金調達を実施したという。

 臨床ナレッジAI「Cubec」は、医師が診療にあたる中で抱く疑問について、研究論文などにもとづいた信頼性の高い情報をワンストップで提供するというアプリケーション。情報元となる出典を付与して回答を表示するという。

 同社によると、これまでのWeb検索や汎用AIでは臨床現場で利用するには信頼性の低い情報と信頼できる情報が混在しており、医師が信頼できる結果を選び出す必要があった。また、専門性が高く複雑な疑問になるとWeb検索や汎用AIでは解決するのが難しいため、専門医などに相談する必要があり、情報を得るまでに時間がかかってしまうという課題があったという。

 臨床ナレッジAI「Cubec」は対話型のインターフェースで、医師が日常的に使用する言葉で疑問を入力すると、生成AIが研究論文など信頼できるデータベースから質問の意図に応じた情報を取得し、要約・整理して出力する。出典情報も提示するため、回答の根拠を検証することも可能になる。

 2025年中に公開予定という機能強化版では、臨床現場における医師の思考プロセスや判断に関する独自の学習データをもとに開発した生成AIを用い、より複雑な疑問や専門外の疑問など質問を組み立てること自体に時間がかかる内容にも対応可能になるとしている。Cubecでは同サービスをより多くの医師に活用してもらうために無料で提供するという。

 同社ではこれまで、ヘルスケアに特化した独自の生成AIを開発するCubec AI ラボから、医師と製薬・医療機器企業向けにサービスとして、心不全、肺高血圧症に特化した診療支援システム「Cubec HF」と「Cubec PH」を展開してきた。これらに加えて今回、より幅広い医師のニーズに応える臨床ナレッジAI「Cubec」をラインアップに加えた。今後は医療従事者インサイトに基づく戦略立案・施策支援「Marketing solution」を提供予定だとしている。

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