ASCII Power Review 第270回
光インジケーターでNPUの働きが分かる!!
インテルの最新AI CPU「CoreUltra2」搭載モバイルノートPC「Swift 14 AI」実機レビュー
2024年12月10日 10時00分更新
AI PC「Copilot+ PC」にはARM系を含む複数のプロセッサーが採用されているが、現在注目を集めているのが、Lunar Lakeこと「Core Ultraシリーズ2」を搭載したモデル。Core Ultraシリーズ2はx86アプリケーションとの互換性を保ちつつ、40~48TOPSのNPUを搭載。従来アプリも、最新AIアプリも快適に活用できるのだ。
今回レビューするAcerの「Swift 14 AI」は、Core Ultraシリーズ2を搭載した14型ノートPC。独自のAIアプリを搭載するだけでなく、ローカルでNPUが作動した際に点灯する「アクティビティインジケータ」をタッチパッドに内蔵。AI特化型マシンに仕上げられた注目モデルなのである。
Acerから試用機を借りることができたので、レビューしていこう。
CoreUltra 5とCoreUltra 7搭載の2モデルを用意
インターフェースは万全
「Swift 14 AI」には、「Core Ultra 5 226V」(8コア[4P+4E]、8スレッド、4.5GHz、17W)と「Core Ultra 7 258V」(8コア[4P+4E]、8スレッド、4.8GHz、17W)を搭載した下記の2モデルがラインナップされている。
・「SF14-51-A56Y/F」
(22万9800円)
Core Ultra 5 226V/16GB(LPDDR5X)/512GB
・「SF14-51-A73Z/F」
(26万9800円)
Core Ultra 7 258V/32GB(LPDDR5X)/1TB
両プロセッサーはGPU、NPU性能も差別化。特にグラフィックス性能は大きな差がある。GPUはUltra5が53で7が64TOPS、NPUは40と47TOPSで、ゲーム、クリエイティブワーク目的で購入するならCore Ultra 7 258V搭載版がオススメだ。
ほかののスペックは共通。ディスプレーは14型WUXGA OLEDで1920×1200ドット、16:10、DCI-P3 100%、Adobe RGB 100%、VESA Certified Display HDR True Black 500、TÜV Rheinland Eyesafe 2.0を搭載。サウンド機能はDTS:X Ultra対応のステレオスピーカーを装備している。
インターフェースは、USB 4(最大40Gbps、Thunderbolt 4、USB PD、映像出力対応)×2、USB 3.2 Gen1 Type-A(最大5Gbps)×2、HDMI×1、3.5mmコンボジャック×1を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetoothをサポートしている。なお、Windows UpdateによるBIOS、ドライバーのアップデートで、今後Wi-Fi 7に対応する予定だ。
キーボードは84キーの日本語配列。ウェブカメラは約360万画素。生体認証は顔認証と指紋認証に両対応している。
本体サイズは312.4×221.2×9.7~15.95mm、重量は約1.26kg。65Whのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約17.5時間と謳われている。
なお両モデルとも購入時のカスタマイズには非対応。また「Microsoft Office Home & Business 2024」が同梱されている。少しでも安くするためにも、Officeなしモデルも用意してほしいところだ。
NPUの動作が一目でわかる
「アクティビティインジケータ」が楽しい
本製品はプロセッサーにCoreUltra2を搭載している。11月下旬にマイクロソフトから無償アップデートによりCopilot+ PC機能が提供されるとアナウンスされていたが、記事執筆時点ではリリースされていないようだ。本製品の真価が発揮されるのはCopilot+ PC機能あってこそ。早期に提供されることを期待したい。
本製品でユニークな装備が「アクティビティインジケータ」だ。プロセッサー内のNPUが稼働すると、タッチパッド上の模様が点滅して知らせてくれるのだ。
どのようなアプリがNPUを利用するのかは「タスクマネージャー」などを開かないとわからない。一目で判断できる「アクティビティインジケータ」は筆者のようなライターにとっては便利な、一般の方にとっても楽しい装備だろう。
ノートPCとしての基本的な使い勝手もチェックしていこう。キーピッチは実測19mm、キーストロークは実測1.3mm。キーボード面の剛性は高く、打鍵感も良好だ。
ダイビングボード構造を採用したタッチパッドは実測125×78mmのスペースが確保されており、クリック感も小気味よい。一部キーが密着しているのは残念だが、慣れればフルスピードで入力できるキーボードに仕上がっている。
ディスプレーにはDCI-P3 100%、Adobe RGB 100%と広色域のOLEDを採用。鮮やか、かつ階調豊かに画像、映像を表示できる。またOLEDには自発光で視野角が広いという特性もあるので、ほぼ真横からでも実用的な視認性が確保される。
リフレッシュレートが最大60Hzなのでゲーム向きではないが、クリエイティブワークや、映像コンテンツ鑑賞にはもってこいのディスプレーだ。
生体認証は、IRカメラによる顔認証、指紋認証センサー一体型電源ボタンによる指紋認証に対応している。夏の直射日光下などIRカメラが誤操作しやすい環境では指紋認証、普段は顔を向けるだけで解除できる顔認証と、状況に応じて使い分けられるのは便利だ。
「Core Ultra 7 258V」搭載機として
上位クラスの性能を発揮
それではパフォーマンスをチェックしていこう。今回は比較対象機種として、同じく「Core Ultra 7 258V」を搭載する「OmniBook Ultra Flip 14」、「XPS 13」、「ASUS Zenbook S 14」で比較している。
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