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入賞多数の学生起業家がビジネスのレールに乗れなかった理由とは

特集
世界に挑むICTスタートアップリーグ 成功への道

 起業を後押しする登竜門として開催されているビジネスコンテスト。スタートアップを期待される学生を対象としたものも増えているが、入賞したからといってすぐに資金を得て急成長できるほど現実は甘くない。ICTスタートアップリーグに2年連続で採択されている株式会社Nefrontは、数々の学生ビジネスコンテストを受賞し、経済産業省の支援プログラムにも採択され期待を受けている1社だ。

 同社の売りである屋内ARクラウドサービス「IndooAR」は、GPSなどが使えない環境でも、カメラ映像とセンサー情報で位置を特定し、指定した場所まで案内するサービスだ。イベント会場の案内や倉庫のピッキングでの活用を想定したプレゼンは、ビジネスコンテストでは評価された。だが、いざ起業してみるとアプローチした業界では売れず、事業化には至らなかったという。現在は顧客課題の調査をやり直し、建設業界での活用を目指しているそうだ。ターゲットが明確になってからは、関心を持つ企業が増え、要素技術を活用した別プロダクトの実証実験も進行している。

 軌道に乗るまで時間がかかった要因は、技術力はあっても経営の知識が不足していたのも大きい。学生起業家出身の著名スタートアップであるタイミー小川代表も、起業へのこだわりとその挫折を披露しているように、学生起業家は完璧でないのが当たり前。ビジコン入賞はスタートラインではなく、足りないものや見えていない視点などにいかに気づけるかが求められそうだ。

文:スタートアップ研究部

ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。

※ICTスタートアップリーグとは?

ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/

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