ディープテックとレイターステージを強化する スタートアップ育成5ヵ年計画のこれから
IVS2024 KYOTOセッションレポート「スタートアップ育成5ヵ年計画 後半戦の行方と展望」
後半戦はレイターステージの強化と働き方の見直し
残り時間が少なくなったところで、今枝氏が今後の5カ年計画について説明した。
課題はいくつかあるが、レイターステージが弱いことからシリーズC、D、E以降を太らせて、未上場株式とセカンダリーを整備したエコシステムを作るなどがあり、オープンイノベーションやM&Aがやりにくい日本の制度変えることで、今はIPOしかない出口を多様化させるとしている。セカンダリーも含めて5000億円の財政を投入し、投資の呼び水にするプランである。
また、日本では技術がビジネスになりにくいことから、「CXOバンク」という人材バンクを立ち上げ、そこでCFOやCOOになる人たち大学の研究シーズをマッチングさせる。文科省がスタートアップのチームを作って率先するという。あわせて働き方についても、雇用の流動性を担保して賃上げにつながるジョブ型雇用として日本型PIP(Performance Improvement Plan)を実現し、裁量労働制によって働く人を守りながら、スタートアップでも働きやすい環境作りも検討している。
今枝氏は、「スタートアップ政策に関連する官僚チームを増やすため、各省庁に担当司令塔を造ることも計画している」と言い、いかに仲間を増やすかが必要かということを訴えた。富原氏は「国の政策を決めていくような研究会や審議会に、スタートアップの方々がどんどん入ってほしい」と述べた。最後に伊藤氏が「スタートアップは社会を変えたり、政治行政の仕組みを作ることができるので、事業を伸ばして新しいルールメイキングするようなワンチームに盛り上げていきたい」とコメントし、セッションを締め括った。