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販売代理店らとの連携を支援するパートナーリレーションシップマネジメントサービス「PartnerProp」

 2024年8月21日、PRM(パートナーリレーションシップマネジメント)サービス「PartnerProp」を提供する株式会社パートナープロップは、シードラウンドでジェネシア・ベンチャーズをリード投資家にデライト・ベンチャーズ、三菱UFJキャピタルから、2.3億円を調達したことを発表した。PRMは、販売代理店や流通業者などのパートナー企業を介した営業活動を最適化、効率化する手法で、欧米を中心に市場の盛り上がりを見せている。今回、国産PRMツールである「PartnerProp」のサービスの特徴、および今後の展開について、株式会社パートナープロップ 代表取締役CEOの井上拓海氏に伺った。

株式会社パートナープロップ 代表取締役CEO 井上 拓海氏(中央)

パートナー情報の一元管理と人材育成支援をSaaSで提供

 企業の製品やサービスを迅速かつ広範囲に普及させるには、販売代理店などパートナー企業との連携が不可欠だ。今や8割の企業が販売活動にパートナーチャネルを活用しており、パートナーの管理の重要性が高まっている。しかし、自社の営業活動は、MA(マーケティングオートメーション)ツールやCRM(顧客関係管理)によるDXが進む一方で、他社パートナーの活動は十分に管理できていなかった。

 PRM(Partner Relationship Management)はパートナーとの関係を効率的に管理するためのツールだ。欧米ではSaaS企業を中心に導入が広がっており、2028年には8.2兆円へ拡大する成長市場と見込まれている。

 株式会社パートナープロップは「PartnerProp」を2023年秋にリリースし、株式会社マネーフォワード、エン・ジャパン株式会社、NTTなど大手IT・HR業界を中心に導入が広がっている。

「PartnerProp」の主なサービスは、(1)パートナー情報の一元管理と(2)パートナー・イネーブルメントの2つ。

 従来は、各パートナーの売上実績などの報告はメールでのやりとりに留まっており、パートナー情報の一元管理やパートナー間の情報共有ができていなかった。また、パートナー・イネーブルメント(販売パートナーへの営業活動支援)は、企業の営業担当者がパートナーの営業拠点へ赴き、勉強会などを開催するのが一般的だ。そのため、支援の行き届かない拠点では、製品への理解度が低く売上が伸び悩んでしまう、といった課題があった。

 パートナーの情報管理は、パートナー企業と共通で使えるCRMを提供する。企業ごとに権限を設けることで機密性を担保しつつ、それぞれのパートナーが持つデータを可視化、情報共有することでお互いに営業活動の効率化が図れる。

ダッシュボードから販売パートナーの一元管理が可能

 パートナー・イネーブルメントとしては、パートナー向けの育成プログラムを簡単に作成できる機能を提供。勉強会の動画等からeラーニングを作成し、パートナー担当者はいつでもオンライン受講できる仕組みだ。また、個人の受講状況や理解度の把握から育成プログラムの改善へとつなげられる。

eラーニング機能でパートナーの担当者育成を支援

パートナー企業主導の新しいマーケティング手法「パートナー・ドリブン・マーケティング」

 従来のパートナーチャンネルの開拓や支援活動は、担当者の地道は営業に依存しており、大手・中堅企業ではアナログな関係性を重視する風潮が根強い。クラウドサービスによる自動化や効率化に対する反発も予想される。

 井上氏は、「今のPRMの現状は、かつてSalesForceが日本に上陸した状況に似ています。かつての営業スタイルは、個人の営業成果を競い合うのが美学とされていましたが、SalesForceが提唱する営業プロセスを分担する手法『The Model』が定着したように、我々も成功事例をもとにパートナー企業主導の新しいマーケティング手法「パートナー・ドリブン・マーケティング(PDM)」を提唱し、パートナー協業の仕組化を目指していきます」と語る。

 今回の資金調達はAI活用とマーケティング活動を目的としている。AIについては、蓄積されたパートナーの売上データや育成データを基にAIで分析し、営業活動の改善にも活用していくとのこと。

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