使い始めてすでに足掛け10年になるが、なぜか最近は少し調子の悪いEONE TIMEPIECEの「BRADLEY(ブラッドレイ)腕時計」の代わりを見つけた。外観とコンセプトは似たイメージの「EUTOUR(ユートール)」ブランドの2個の磁気鋼球ボールを使ったスポーツウォッチ「E025」(以降、ユートール磁力腕時計)だ。AliExpressではブラッドレイの5分の1以下と激安だったので早速衝動買いした。
届いたプラスチック製のコンパクトなケースを開けてみると、スポンジで周囲を保護されたユートール磁力腕時計(E025A-G4A)とブレスレットの長さ調整をするためのツール、磁気ボールが移動して時刻を表示する文字盤上の一段低い円形の通路の掃除するためのブラシ、クリーニングクロス、取説が出てくる。
ブラッドレイとユートール、
似ているようで異なる外装デザイン
まずは今回購入したユートール磁力腕時計と筆者が2015年4月に紹介したブラッドレイ腕時計の比較をしてみたい。ブラッドレイ腕時計の詳しい紹介は、以前の記事を参考にしていただくと良いだろう。アフガニスタンで爆弾処理部隊として在役中に爆発事故に遭い視力を失ったBRADLEY SNYDER氏が、翌年のロンドンパラリンピックで複数のメダリストとして復活したことへのリスペクトから製品に付けられた名前だ。
筆者の購入したモデルはシルバーグレーの本体と韓国の革製品メーカーであるRAWROWとのコラボで実現したヌメ革ベルトを組み合わせたナチュラルでクールなモデルだ。ブラッドレイ腕時計と今回のユートール磁力腕時計の本体だけを比較すると多くの類似点と数少ない相違点がある。
いずれも金属の磁気鋼球ボール(ベアリング)を通常の腕時計の時針と分針に採用している。2つのボールには色やサイズなどの差異はない。時針が外周部分を回転し分針がその内周を回転するところやリュウズの位置は全く同じだ。デザイン的には見た目がより一般的な腕時計に近いユートール磁力腕時計と、少しオシャレなブラッドレイ腕時計という感じだ。
パッと見では少しわかりにくいが使ってみるとすぐにわかるなによりの相違点は、時刻を現わす時針の役目を果たす磁気鋼球ボールがブラッドレイ腕時計は腕時計本体の外周部分の側面に配置されている。一方、ユートール磁力腕時計の方はごく普通の腕時計と同じ文字盤上の外周側に配置されている。これが最大の差だ。
このことが意味するところはなかなか奥深い。例えば時刻がちょうど3時になろうとするところで、ブラッドレイ腕時計とユートール磁力腕時計を左腕首に装着して時刻をみると一目瞭然だ。不幸にもブラッドレイ腕時計は時刻を指し示す外周の磁気鋼球ボールの位置が見えない。ユートール磁力腕時計は上から時刻を読み取る普通の腕時計と同じなのですぐに現在が3時であることがわかる。
左腕を肘で折って目に近づけるように徐々に内側手前に角度を変えて、3時位置のリュウズが見えるくらいにまで回転させると、ブラッドレイ腕時計の時針鋼球ボールが3時の位置に止まっているのがやっと見える。要はブラッドレイ腕時計は視力障害のあるBRADLEY SNYDER氏のように、目で時刻を読めない人のための腕時計なのだ。
そのため、実際に時刻を知りたい時は腕時計本体の周囲を指先でまさぐり、外周の溝から一段飛び出した磁気ボールの位置を文字盤上のタイムインデックスと相互に触り比べて、現在時刻を知ることになる。
このことからブラッドレイ腕時計は「なんちゃって」ではない明確に視力障害者のための特殊目的の腕時計なのだ。ユートール磁力腕時計は普通の腕時計の針がボールに代わっただけだ。アドバンテージは文字盤を見なくて触っても現在時刻がわかると言うのが特徴の腕時計だ。ところがこの触ってわかるがなかなか曲者だ。
ユートール磁力腕時計のタイムインデックスはそのために文字盤からかなり飛び出したデザインを採用している。しかしブラッドレイ腕時計の現在時刻は指先で何とか読める筆者だが、ユートール磁力腕時計の現在時刻は筆者の指先感覚が悪いのか購入して2ヵ月経っても未だに全く分からない。
確かに指先で外周の溝をまさぐって知らないうちにボールを押しているのか、ボールは吸着限界になって溝を滑り、1周回ってまた先ほどの現在時刻の位置で吸着して停止している。しかし全く指先では時刻は読めない。指先で時刻がわかる人がいればそのコツをぜひとも教えて欲しい。

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