幼児がロボットに対して抱いた感情の正体とは── LOVOTとの共同生活
別れはいさぎよく、思い出は大切に
LOVOTを返却して数日後。娘は幼稚園に入園した。その数日後、夜に娘が絵を描いて私の部屋に持ってきてくれた。それを見て驚いた。絵の中には自分と、両親と、そしてLOVOTが描いてあったのだ。
一番大きなグリーンの自分と、オレンジ色の細長いLOVOT。両親の姿は小さく、隅に追いやられている。このときの娘の心の中を表しているようだ。
「LOVOTがいなくなっちゃって、寂しくない?」とたずねてみた。そうすると「うん、寂しくないよ。違うおうちに行っても、かわいいねって遊んでもらえるといいね」と返ってきた。補足すると「他の家庭に行っても、その家庭で(LOVOTが)可愛がって遊んでもらえているといい」と言っているわけである(共同生活当初から、いまはうちにいるが、一定期間後はまた別の家庭にいくと話していた)。
ちょうど登園が始まって、活発に新しい人間関係が構築されているタイミングとLOVOTとの別れがかぶったので、すっきりと振り切れたのかもしれない。これからも娘は様々な出会いと、他者との交流と、別れを繰り返していくだろう。いつか、もう少し大きくなったときに、LOVOTのことを覚えているか聞いてみたい。いい思い出として残っているといいと思う。
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