「物忘れのカバー」もAIに
アプリからAIを活用する基盤を再整備
マイクロソフトはCopilot+ PCで、Windowsにさまざまな機能を搭載する。もっとも価値がわかりやすいのは「Recall(回顧)」と呼ばれる機能だ。
PCが定期的にスクリーンショットを撮り、その内容をオンデバイスAIが解析してインデックスを作ることで、PCを使っている時の「物忘れ」対策をする。
要は「この前見た青い服、正確にはどんなのだった?」「この前見た資料で出てきたフレーズ、どんなのだっけ?」といった感じで、人間の脳内にある曖昧な記憶をカバーするような機能だ。PCに表示される画面はプライバシーや機密の塊なので、当然クラウドは使わず、情報もAIの学習に使われることはない。
重要なのは、こうした機能が「Windows Copilot Runtime」というフレームワークでカバーされることだ。
Windows Copilot Runtimeからはクラウド上のCopilot(GPT-4o)を呼び出すこともできるし、オンデバイスAIを使うこともできる。マイクロソフトは自社で開発していた「Small Language Model(SLM)」である「Phi-3」をベースにした「Phi-Silica」を組み込んでおり、画像認識を含め40以上のモデルをWindows Copilot Runtimeから使えるようにしている。
Windows Copilot Runtimeによって「Windows 11上のアプリケーションからAIを活用する枠組み」を強化することが、Copilot+ PCの狙いでもあるのだ。