共創と宇宙 北九州市がスタートアップと描く未来
北九州市発の大規模スタートアップイベント「WORK AND ROLE 2024」レポート
SIT-K「スタートアップ SDGs イノベーショントライアル」
続いてのプログラムは、SIT-K「スタートアップ SDGs イノベーショントライアル」実証支援プログラムおよび事業化支援プログラムの11社が登壇した。
まずは事業化支援プログラムの5社が登壇し、そらぞれの取り組みを発表した。
株式会社ParaLux
株式会社ParaLuxは結婚式の多様化に対応し、高額になりがちな費用を抑えるためのアプリサービスを提供。結婚式場以外を会場にしたり、Web招待状を使ったりするなど、従来の慣習を廃して、DXによって「“コスパ(コストパフォーマンス)”や“タイパ(タイムパフォーマンス)”のいいプラン」を提案するという。
株式会社Power Diamond Systems
株式会社Power Diamond Systemsは、ダイヤモンド半導体の開発を目指すスタートアップ。現在、次世代半導体としてシリコンカーバイトが盛り上がっているが、その先の究極の半導体としてダイヤモンド半導体がある。メタンやCO2を使ってダイヤモンドを合成でき、高周波・高出力が期待できる次世代に求められる半導体として、さまざまなシーンで活用できるようにしたいと意欲を示した。
TXP Medical株式会社
救急業務の効率化を目指すTXP Medical株式会社は、救急搬送の最適化を目指す。救急搬送では、救急車の受け入れ先がなかなか決まらずに「たらい回し」のような状態になる課題があるという。これに対して電話で確認するという煩雑さを改善し、時間短縮のための支援システムを構築し、紹介先医療機関を迅速に判断できるというものだ。
株式会社データグリッド
株式会社データグリッドは創業以来、生成AIに特化したソリューションを提供している。AIトレーニング用に必要な大量の合成データを生成データで解決するという、AIのためのAIを目指している。製造業の画像検知の機械学習に際し、NG製品の画像データの生成など、現実で不足するサンプルをAIで補うという。
株式会社TriOrb
株式会社TriOrbは、車輪の代わりに球を使った全方位に動けるロボットの足の部分、モビリティプラットフォームを開発し製造する企業。360度どの方向にも移動できるということで、製造業を中心に展開を図っているという。スマートファクトリー、インダストリー4.0、といわれていても工程間移動にはまだまだ課題がある。通路幅と床の状態、求められる精度など、ミリ単位での移動や高い耐荷重を実現したプラットフォームを目指す。複数台ロボットで連動運用など、移動プラットフォームとして国内外に展開していきたいとしている。
続いて、実証支援プログラムの6社が登壇した。
株式会社Liberaware
インフラ、プラント設備、点検用、超小型ドローンを開発する株式会社Liberawareは、超小型ドローンのデモ飛行からスタート。施設の老朽化や維持管理の点検業務などに課題を持つ企業に対して、危険な場所はロボット(ドローン)で行い、省人化するとともに、点検や維持管理のDX推進を目指す。
Azendian Solutions合同会社
Azendian Solutions合同会社は、ビルマネージメントシステム(BMS)のうち、空調管理に特化したソリューションを提供。ビルのコストの半分は空調ということで、電気代、ガス代を削減したい企業に向けて提供している。削減した金額の半分が収益になるというビジネスモデルだという。
Zero To Infinity株式会社
Zero To Infinity株式会社は、AIの画像解析で鳥獣被害対策のDXを進める。エッジカメラで対象動物を認識し、対象動物だけ検知して通知することで、効率的な対策ができる。カラスなどに対してはレーザーで忌避行動を学習させるなどのアイデアも披露された。
株式会社レボーン
株式会社レボーンは、ニオイで社会課題の解決を図る。独自開発によるセンサーで、臭いで異常を検知したり、調香AIなど臭いに関するコンサルティングを手がける。公共トイレの不快な臭いに関して、汚れを臭いセンサーで検知し、対応する香料を噴霧することで消臭するものだ。トイレ管理会社、ヘルスケア、介護施設などへの応用を期待しているという。
寶結株式会社
寶結株式会社はDX支援、スタートアップ支援を行っており、その中でネットでの購入体験の支援を行う仮想待合室「MachiAI」を提供する。チケットや人気商品などの販売に対してアクセス集中の際、仮想待合室にアクセスを流して離脱を防ぎ、アクティブ率、購入実績につなげる仕組み。送客をコントロールすることで販売率のアップ、問い合わせ件数の減少を実現する。民間や行政のサービスに導入してユーザ体験を向上させるほか、広告代理店などに販売促進ソリューションとして展開したいとしている。
株式会社アシスト
株式会社アシストは、外国人社員の雇用管理DXサービス「irohana」を展開する。人材不足により特定技能外国人雇用のニーズが高まっているが、言語の壁があるほか、社内に外国人雇用に関するスペシャリストがいないなど課題がある。SaaSによって業務委託コストを半減できるとし、採用も増えている。外食分野で事業拡大を予定しているという。