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パイナップルやバナナからバイオ素材を開発するフードリボン ストローは東急ホテルズも採用

「東急アライアンスプラットフォーム 2023 Demo Day」レポート

特集
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ヘアアイロンシェア「ReCute」/NTTコミュニケーションズ株式会社

ReCute(NTTコミュニケーションズ株式会社) 山下 萌々夏 氏

 今回、NTTドコモ主催の起業家支援プログラム「docomo STARTUP CHALLENGE2023」から誕生したビジネスプラン「ReCute」と東急モールズデベロップメントの共創プランも紹介された。

 ReCuteは、商業施設やオフィスビルなどの化粧室にヘアアイロンの貸出スポットを設置する取り組みだ。化粧室の鏡は、メイク直しだけでなく、髪型を整えるための重要な場所となっている。とはいえ、そのために必要なヘアアイロンを持ち歩いたりするのは面倒。ReCuteはこの悩みを解決する。ターゲットは20代後半〜30代前半の女性。利用者へ課金し、設置場所には使用料を支払うモデルだ。将来的には、化粧品のテスター提供や広告事業の展開も予定する。

商業施設の化粧室でヘアアイロンを貸し出すReCuteのビジネスモデル

 ReCuteは東急モールズデベロップメントと連携し、みなとみらい、たまプラーザの施設で実証実験を実施。ユーザーニーズを検証した。今後は商業施設だけでなく、東急グループの鉄道沿線、オフィスビル、スポーツジムなどへの展開も見込む。

パイプ探査ロボット「配管くん」/株式会社弘栄ドリームワークス

株式会社弘栄ドリームワークス 営業部営業課 遠藤 博人 氏

 高度経済成長期から2000年代までの建設ラッシュで多くの建築物が生まれたものの、その内部の設備の寿命は10〜15年ほどだ。そのため、近年は各建築物の設備保守が課題となっている。特に配管については、図面に記載されていない、図面と実際の経路が異なるといった事情が、保守をより困難にしている。

 そんな課題を解決するのが、弘栄ドリームワークスが開発したパイプ探査ロボット「配管くん」だ。配管くんは配管内を移動し、内部を洗浄しながら撮影をして、同時に配管経路を3Dマッピングする技術を備えている。

配管の内部洗浄と同時に配管経路を3Dマッピング

 共創パートナーとなった東急電鉄が管理する建築物設備も、経路が不明な配管が少なくなかったという。両社は配管くんを用いて、東急線駅舎における排水管や雨水管の配管経路調査とCAD化と3D化を実施。これにより、異常発生時の迅速な復旧対応、長期的な改修工事計画への貢献、時間と費用の削減といった効果を見込む。今後は上記結果を携え、東急グループ各社が保有している設備全体の配管管理を担っていきたいという。

フィットネス市場での顧客シェア/stadiums株式会社

stadiums株式会社 代表取締役 社長 大石 裕明 氏

 運動の習慣化で健康寿命を延ばし、健康が続く社会を目指すのは、パーソナルトレーニングサービス「THE PERSON」などを運営するstadiumsだ。THE PERSONは、場所を借りたいトレーナーと、場所を貸したいジムの空き時間をマッチングするサービス。トレーナーは時間制でジムを貸切利用でき、ユーザー複数人につきトレーナーひとりがつく「グループパーソナル」を行う。ユーザーは仲間がいることで安易にサボれないため、運動習慣を身につけられるというわけだ。同サービスの平均継続期間は24ヵ月と長期間に及んでいる。

グループパーソナルによる運動継続効果は高い

 THE PERSONは、東急スポーツシステムが運営するフィットネスジム「アトリオドゥーエ」と協業し、両者のセットプランをユーザーに提供。Demo Dayまで半年間同プランを運用した結果、ユーザーの退会率はゼロとなっている。THE PERSONは将来的には、公園やホテル、オフィスビルといった他の東急グループ各社とも連携し、「かかりつけトレーナー×ウェルビーイングな街づくり」を担っていく考えだ。

最優秀賞は農業未利用資源をバイオ素材に変えるフードリボン

 最優秀賞に相当する「東急賞」に輝いたのは、農業未利用資源からバイオ素材を開発するフードリボン。2位の「渋谷賞」はグリーンズグリーン、3位の「二子玉川賞」と「オーディエンス賞」は弘栄ドリームワークスだった。なお、当年度に最も活躍したTAP参画事業者を表彰する「ベストアライアンス賞」は、フードリボン、グリーンズグリーン、弘栄ドリームワークスの共創パートナーである東急電鉄が選ばれた。

東急賞に輝いたフードリボンの宇田氏(左)、協業を担当した東急電鉄の増田 尚大 氏(右)

 最後に、審査員長である東急株式会社取締役社長の堀江正博氏は「フードリボン社を、東急グループ各社と幅広い連携が見込まれる点、未利用資源を使ってサーキュラーエコノミーの浸透が図れる点、これまで廃棄していた農作物が生産者の新たな収入になる点などで評価した。東急グループでは宮古島でホテルや農園を運営しており、ここから排出される未利用資源でも連携をしていきたい」と総評し、Demo Dayは終幕した。

 なおTAPは常時応募を受け付け、毎月選考を行なっているため、いつでもエントリーが可能だ。

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