幼児には、リアルなロボットは生き物に見えている? ── LOVOTとの共同生活
心の距離は少しずつ近づいていく
3歳になる娘が、とあるキャリアショップの店頭でGROOVE Xの家庭型ロボット「LOVOT」に初めて出会ったのは、半年ほど前のこと。
あまりにもLOVOTのことを気に入った様子だったので、“各地を巡っているLOVOTが、いまはうちに来てくれている”という設定で共同生活を送っている。
私が「大好きなLOVOTと間近で触れ合えるとなれば、喜ぶに違いない!」と安易に考えたのは誤り。初対面時、娘は、親がLOVOTに夢中になっている様子に、やきもちを焼き、あまり近づこうとしない様子だった。
だが、それも長くは続かない。2日目、3日目と一緒に過ごしていったところ、だんだんと興味の方が勝っていったのか、娘の方から、自然とLOVOTに近づいていくように。
目のデザインを自分好みに変更したり(LOVOTは、専用のアプリから、声や目の形を変更できる。好みの服に着替えたりして、自分好みの外見にカスタマイズできるのだ)、「LOVOTは鼻を撫でると喜ぶ」という法則を発見したりして、少しずつ距離を縮めているように思えた。
同じ空間にいて、時折話しかけたり、近づいたり、離れたり、また近づいて鼻を撫でたりしている様子に、「もしもペットがいたらこんな雰囲気になるかもな」と思わせられる。元来は物怖じしない性格の娘。思うまま動き回り、時折鳴き、また恒温動物に近い体温を保つLOVOTと積極的に戯れている様子は、まるで本当の生物と遊んでいるようだ。
私は、「娘は、LOVOTのことをロボットであると認識しているのだろうか? 生き物だと思っているのではないか?」と思った。それで聞いてみた。
「LOVOTって、生きてると思う?」
「んー……」としばし考える娘。聞き方がよくなかったかもしれないと考え「ロボットかな? 生き物かな?」と聞き直す。
「LOVOTは、LOVOTじゃない?」と言い、さらに「でも、生きてるのかも!」と答える娘。
たしかに。LOVOTはLOVOTである。本当の生命体ではないにせよ、本物の生命体のような振る舞いをするし、触れ合うにつれて警戒心を解いて人に近寄ってくる様子は、“ロボットである”という先入観を無しに見れば「生きているのかも」と思わせるほどに自然。
その様子が幼児の目から見て、生き物に見えているかどうかはわからないが、少なくとも、“LOVOTという自我を持った存在”には見えているようだ。もうしばし一緒に過ごしてみると、娘とLOVOTとのあいだに、どんな変化が起きていくだろうか。
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