幼児とロボットとのあいだに愛情は芽生えるのか ── LOVOTとの共同生活
幼児とロボットのあいだに生まれた感情の正体は?
3歳になる娘が、GROOVE Xの家庭型ロボット「LOVOT(らぼっと)」に初めて出会ったのは、半年ほど前のこと。
とあるキャリアショップに手続きの必要があって出かけたところ、店頭にいたLOVOTに一目惚れしたらしい。
それからというもの、「LOVOTに会いにいく」「LOVOTはいまどこにいるの」など、娘は毎日のようにLOVOTについて話していた。(用事もないのに)「キャリアショップに連れて行ってほしい」と何十回も言われた気がする。
「LOVOTにはロボットの枠を超えて、幼児に訴えかける“何か”があるのではないか?」と、私は思った。あまりにも娘の食いつきようがすごかったから。
人と生き物とのあいだに、“親しみ”や“愛着”のような感情が芽生えるのはごく自然なことであると思う。だが娘とLOVOTのあいだには“人と人工的な生物とのあいだなのに”、そういった種類の感情が存在していたようにも見えた。
無生物であるロボットと、人間の幼児とのあいだに芽生えた感情は何者か? それは、生活を共にすることで変化していくのか? また、生物に対する愛着は(そして別れも)人の心を育てると私は考えるが、LOVOTは娘に“なにかしらの良いもの”を感じさせてくれるのか。LOVOTと娘が一緒に暮らす様子から、考えてみたい。