TIS、全国各地の観光スポットを360度実写動画でめぐるVR観光アプリ「BURALIT」
JAPAN INNOVATION DAY 2024――Sales Drive / BURALITブースレポート
2024年3月1日、TIS株式会社は、オールジャンルのスタートアップ、先端テクノロジー展示カンファレンスイベント「JAPAN INNOVATION DAY 2024」にブース出展し、実写VR観光アプリ「BURALIT(ブラリト)」を紹介。BURALITは、観光地や商業施設などの360度実写動画をベースに作成したバーチャル空間で観光や街歩きが楽しめるアプリだ。展示ブースで島根県の松江フォーゲルパークのデモを見せてもらった。
TIS株式会社では、2017年からXR技術の研究開発に取り組み、360度カメラで撮影した実写映像をベースにした空間内でのコミュニケーションサービス「XR Campus」シリーズを開発し、観光スポットや展示会などの単発のツアーイベントの実証実験を行なってきた。2022年11月末から「XR Campus」シリーズ開発で培った技術力やアイディアを活かし、観光にフォーカスした「BURALIT」を常設の実写VR観光アプリとしてリリースしている。スマートフォン用アプリとPCのブラウザー版があり、いずれも無料で利用可能だ。現在は、大阪府堺市、大阪市、高槻市、京都府伏見区深草地区、福島県喜多方市、島根県松江市の6エリア20カ所のスポットが公開されており、順次スポットを増やしていく予定だそう。
BURALITの遊び方は、最初にアバターのキャラクターを選び、ホーム画面から行きたい場所を選択すると、バーチャル空間にアバターが入り、現実の場所と一致したマップ上を歩き回れる。メタバースは3D空間の移動操作が難しいが、BURALITは前後左右の移動のみとシンプルな操作で楽しむことができる。マップ上に配置されたワームホールのような輪の中にアバターが入ると、360度の実写動画が表示され、実際に現地にいるような回遊が楽しめる。松江フォーゲルパークのデモでは、園内5カ所を撮影しており、熱帯鳥温室では、クリスマスの衣装を着たペンギンの散歩イベントを体験できた。ペンギンたちがこちらに向かって歩いてきて、目の前を通り過ぎるのは動画ならでの臨場感だ。
場所によっては、店員さんの肉声チャットボットで説明を聞くことができたり、イベント時にリアルタイムで店員さんがBURALITに参加し、ユーザーとボイスチャットで会話しながらECサイトで買い物もできるという。
同じ場所に最大5名まで参加でき、友人を呼んで一緒にバーチャル観光や街歩きが楽しめる。旅行の下見としてスポットを巡って計画を立て、旅行後に振り返ることができる。また、天候不良やスケジュールの都合で見学できなかったイベントや見逃したショーをバーチャル体験できれば旅の満足度も高くなりそうだ。
TIS株式会社 テクノロジー&イノベーション本部 インキュベーションセンターの山崎 晴貴氏はBURALITの特徴として、「現実の地図の上を歩き、実写映像の空間を歩くことで、新しい出会いや発見が得られます。また、BURALITはサイト内で完結するものではなく、自治体の観光情報サイトや店舗のECサイトとも連携できるので、認知の拡大やファンの醸成にもつながります」と話す。
TIS株式会社では、BURALITを地域の観光促進に役立ててほしいと、自治体や観光事業者のパートナーを随時募集している。360度カメラでスポット撮影すればBURALITに掲載できるそうなので、興味のある自治体や観光事業の関係者は問い合わせてみては(問い合わせ先:BURALIT事業チーム buralit@tis.co.jp)。