瀬戸内を盛り上げるアトツギベンチャー、スタートアップイベントに500人集結
瀬戸内エリア最大級のスタートアップ×アトツギベンチャーのカンファレンス「BLAST SETOUCHI 2023 in 岡山」レポート
「スタートアップ&アトツギ」ピッチ
「スタートアップ&アトツギ」ピッチには、株式会社ABABA代表取締役 久保 駿貴氏、株式会社マクライフ 牛垣 希彩氏、株式会社Gino代表取締役 北尾 共氏、株式会社笏本縫製 代表取締役 笏本 達宏氏、株式会社中特ホールディングス 取締役 吉本 龍太郎氏、株式会社リブル 代表取締役 早川 尚吾氏、有限会社藤久鐵工 専務取締役 藤原 史陽氏、株式会社ウェイビー 代表取締役社長 伊藤 健太氏の8名が登壇。ピッチ終了後に来場者が投票を行ない、株式会社マクライフがオーディエンス賞を受賞した。各登壇企業のプレゼン内容は以下のとおり。
地方有力企業の最終面接に進んだ学生を地域の企業へ推薦し、地方採用を促進
株式会社ABABAの運営する「ABABA」は、企業の最終面接まで進んだ学生が他の登録企業から1次選考をスキップするなど特別選考フローでのスカウトが受け取れる新卒特化のスカウトサービス。サービス開始から3年で1000社以上の企業、累計3万人の就活生が利用している。地方銀行や地方の有力企業は東京の学生にも人気が高い。地域の一般企業は同地域の企業の最終面接に進んだ人材をスカウトすればUターン就職の促進に貢献できると提案した。
廃棄物から生み出されるアートのマッチングプラットフォーム
株式会社中特ホールディングス 取締役 吉本 龍太郎氏は、廃棄物処理事業の3代目アトツギベンチャー。同社では収集した廃棄物の97%をリサイクルし、地域の学校などでリサイクルの啓蒙活動に取り組んでいる。社会のゴミの減量やリサイクルへの関心をさらに高めるため、廃棄物からアートを生み出すアーティストや作品のマッチングプラットフォームを運営。現在約400名のアーティストが登録し、宿泊施設などた作品を納品しているそうだ。今後はレコメンド機能等を追加し、マッチングローバル展開へ向けて準備を進めている。
地域の経営支援業務をDXする「デジ社長」
地域活性のエコシステム構築に取り組む株式会社ウェイビーは、地域の金融機関や商工会、士業の経営支援業務をDXする「デジ社長」を紹介。地域の事業相談や起業家支援はいまだに対面や紙ベースが中心で費用対効果の低さが課題だ。「デジ社長」は、経営支援者のLINEに紐づけることで、支援を受ける側の経営者や起業家に対して補助金や助成金、業界動向など役立つ情報を自動配信する。経営支援として、課題解決のためのノウハウコンテンツ、企業とのマッチングを提供。2024年2月には大手求人サイトと連携した採用支援機能、デジタルマーケティング支援機能をリリース予定だ。サービス開始から5カ月で記入期間、新聞社、自治体、商工会、士業を含めて60社が導入済みで、今後は全国展開を目指している。
町工場と調達担当者をマッチングする製造業特化型SNS
有限会社藤久鐵工 専務取締役 藤原 史陽氏は兵庫県加西市の鉄工所アトツギベンチャー。日本の製造業は多重下請構造のため、メーカー側は調達先を見つけづらく、工場側は新規開拓ができない、といった課題を抱えている。この解決策として、スマホで簡単に町工場を探し、工場の営業担当者と調達担当者が直接コミュニケーションが取れる「製造業特化型SNS」を開発。工場側は自社の設備や技術をInstagramのように投稿するだけ。調達側は工場を検索してお気に入りに登録すると、工場担当者と直接やりとりができるようになる。利用料金は掲載工場側が月額3000円、調達側は無料。初期登録500社は期間限定で無料提供する予定だ。