◆EVならではの補助金が魅力
「けっこういきましたね。でも補助金が出るんですよね?」。おまたせいたしました。東京都品川区の場合の補助金例をご紹介しましょう。
まず国から55万円が支給されます。続いて東京都からも自動車メーカー別の上乗せ補助も含めて55万円。あわせて110万円! 「すごい! 220万円になっちゃった! ガソリンの軽自動車と変わらないじゃないですか」と、寺坂さんは声をあげます。さらに自治体によっては、たとえば葛飾区の場合は25万円、江戸川区の場合は10万円の補助が受けられます。
「ちなみに品川区はどうなんですか?」と尋ねる寺坂さんに、大橋さんの答えは「0円なんです」と少し残念そう。「お隣の目黒区は?」「出ないんですよ……」。場に重たい空気が流れます。寺坂さんは「完全に自治体ガチャじゃないですか! 葛飾区に引っ越ししようかな(笑)」。もっとも引っ越し代の方が高くつくと思いますが……。このように自治体によって対応はかなり異なるのが実情なので、まずは自分の住んでいる場所の補助金を調べた方がいいでしょう。
◆注意! 補助金が出るのは購入後
「ともあれ、この見積りの金額から補助金分を引いた220万円くらいをお支払いすればいいのですね」というと、これが違う様子。カーライフアドバイザーの大橋さんは「補助金は購入してから支給されるので、328万390円を先にお支払いいただいて、後日110万円が戻ってくる、というイメージになります」というではありませんか。
「え? 最初から引いてくれないんですか?」と寺坂さん。220万円のローンを組むのと、328万390円のローンを組むのでは、金利もあって毎月の支払い金額が大きくことなります。実際、見積書の右下にあるローンプランの金額は、シッカリ328万390円で計算されていました。
「ASCII.jpのサクラの記事で“補助金を使えば約200万円で手に入る”って書いてあるじゃないですか!」と、怒りの矛先を取材陣に向ける寺坂さん。「文章をよく読んでください。“実質”200万円、と書いてあるじゃないですか」とスタッフは反論。「ぐぬぬっ……」と、言葉にならない声をあげる寺坂さん。ですが「後日、口座に110万円が振り込まれるわけですね!」と知るや「110万円で何を買おうかしら」と言い始める始末。。もっとも、110万円を分割払いしているようなものなのですが……。
ちなみに日産東京の場合、「P.O.P」という同社独自の販売商品リース契約という形にすれば、補助金を差し引いた額でのローンを組むことができるとのこと。ですが、リース契約ということで、いくつか制約あるのですが、そもそも本稿のテーマから逸れるのとディーラーによって仕組みも異なるので、割愛させていただきます。支払い方法はほかにも残価設定型クレジットであったり、サブスクとかいろいろあるのですが。
とりあえず「電気自動車の補助金は、購入後に出るため、一括払いで購入する場合は車両価格分のお金は用意しなければならない」ということを頭に入れておきましょう。
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