第二部は音楽と思い出に浸るぜいたくな時間
休憩をはさみ、後半の第二部が始まった。最初は「功夫編メドレー -継承-」で、やや落ち着いた雰囲気の楽曲「鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳」などを演奏。ペンライトの色も3色に変わる演出が盛り込まれ、3人の弟子に修業をつける老師の名言「心じゃよ!」が脳裏によぎっていく。中国の伝統的な楽器「二胡」の演奏も披露された。
続いては「幕末編メドレー -密命-」。次世代和楽器ユニット「HIDE×HIDE」のお二人による尺八と三味線の音も加わり、演奏はますます深みを増していく。とくに尺八の迫力ある音はホール全体を揺らし、圧倒されるほどだった。
「中世編メドレー -魔王-」へと移ると、曲調はやや静かなものに。哀愁漂う「届かぬ翼」やリズミカルな戦闘曲「凛然なる戦い」、壮大な「魔王山を往く」が演奏され、中世編の主人公オルステッドの歩みを思い出していたプレイヤーは筆者だけではないはずだ。
そして、各編のボス戦前に流れる暗く重い「魔王オディオ」、ボス戦闘曲「MEGALOMANIA」、すべてを消滅させる「ARMAGEDDON」と重厚感たっぷりの楽曲が続く。パイプオルガン風の音がとても印象的なセットだ。
ここでMCの時田氏と下村さんが登場し、観客への感謝を述べるとともに、「もちろんこれで終わりではありません。一緒にオルステッドを救いに参りましょう!」と、最終編に向けて気持ちをリードする場面も見られた。
「最終編メドレー~GIGALOMANIA」では、すべての主人公が集結して最後の戦いへ臨む感動的な旅路を、ひと息に振り返っていく。とくにリメイク版『ライブアライブ』で追加された新たなボス戦闘曲「GIGALOMANIA」はライブ初披露ということもあり、非常に力が入っていると感じた。
最後の戦いを終え、エンディング曲「Live for Live」へ。絶望的な曲調から、希望あふれる明るい雰囲気の曲調へ移るとともに、これでコンサートが終わってしまうのか…と噛みしめるような気持ちになっていく。
しかしまだ終幕には早かった。演者の方々が幕袖に退場してからも、観客席からの拍手は鳴りやまない。長いような短いような時間が過ぎ、アンコールに応えた演者が再びステージへ。その際はお揃いの「LIVE A LIVE」「詫び」Tシャツを着ていた。
アンコールでは、かつて攻略本の付属CDにのみ収録されていたゲーム未収録の楽曲「Battilissimo」が演奏された。8つの戦闘曲を繋ぎメドレー化した熱い曲となる。
西部編、幕末編、近未来編の楽曲で出演したYOKOさん、「HIDE×HIDE」のお二人、影山ヒロノブさんも再度ステージへ。さらに漫画家・島本和彦先生も同日開催のコミックマーケット会場から駆け付け、作曲家の下村さんもキーボードで演奏に参加するなど、さながら『ライブアライブ』オールスターの様相を呈していた。
そして「GO!GO!ブリキ大王!!」の歌唱中、音楽にあわせて影山ヒロノブさんが1人1人の演者を紹介。それぞれのソロパートが披露され、惜しみない拍手が贈られた。この時間、観客は一つになっていたと思う。
最後のトークコーナーでは、来年の30周年にも何かしたいと話す時田氏の姿があった。今回は約2000人を収容できるホールだったが、来年もコンサートを開催するとしたらさらに大きな会場となるのだろうか。
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