ワンペダル操作もできる!
そして車内の静粛性は群を抜く
それでは、クルマを動かしてみましょう。まずハンドルコラム右手側にあるシフトセレクターをDにセット。「普通左にあるので、違和感を覚えますね」と彼女が語るように、最初は戸惑うかも。でも、その代わりに運転席と助手席の間がウォークスルーできるわけで。
ウインカーやワイパーなどは日本車と同じ位置。「ウインカーを出そうとしたらワイパーが動いた」という輸入車あるあるをすることはありません。操作面でユニークなのは、ハンドルのパドルで回生量だけでなく、その先にワンペダル動作へと切り替わるところ。この仕組みは便利な反面、慣れないとモードがどうなっているか分かりづらいかも。部員Kはワンペダラ―なので、もっぱらワンペダルですが、部長は普通にアクセルとブレーキを操作した方がいいとのこと。
「とても静かですね」というのが第一印象。過去、色々なBEVに乗りましたが、500万円前後のモデルでは断トツの静かさ。いや、価格を問わず電気自動車全体でみても、トップレベルの静粛性です。これは後席にも貼り合わせガラスを用いているためでしょう。
乗り心地は? というと、ちょっと前の日本車のような、ふわっとしたもの。道路の継ぎ目などのアタリは弱めですが、振動は比較的長く続く感じ。タイヤが地面に接地している、という感じも少し薄目なので、雲の上を走っているかのようなフィーリングです。
運転支援もバッチリ。バッテリーを積載しているがゆえの重心の低さはしっかりとあるので、ロングツーリングには好適のクルマという印象です。
ゆみちぃ部長も「お値段以上のクルマですね。いいのではないでしょうか」とニッコリ。一番気に入ったところを尋ねると「ウインカーを出すと、メーターパネルに死角部分が映るのはとてもイイですね」とUIのデキ栄えに笑顔をみせました。
運転しながら、日本車を相当研究したんだろうな、というのを感じました。それは乗り心地であったり、インテリアの収納であったり。とてもデキ栄えがよく、エコノミストなどが「韓国から黒船が来た! 日本車大丈夫か?」と言いたくなる気持ちが、すごくわかります。でも日本メーカーにとって、ヒョンデ再上陸は良い刺激になるのかも。切磋琢磨して魅力的なクルマが増えれば、選択肢も増えます。これほどうれしいことはありません。
日本の駐車場での取り回しには、ちょっと苦労するけれど、クルマとしての完成度はとても高く、不満がないことが(書き手として)不満なほど。なるほど、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するだけのことはあるんだな、と感じました。お値段以上のクルマであることに間違いございません!

この連載の記事
-
第590回
自動車
【アメ車ってどうよ?】キャデラック「XT4」は思いのほかスポーティーで楽しいクルマでした -
第589回
自動車
アイドルがレクサスLMの“アメイジング”後席体験! 家超えの超豪華空間に大興奮 -
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する - この連載の一覧へ






















