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核融合プラント開発 京都フュージョニアリングが最優秀賞獲得

「Morning Pitch Special Edition 2023」レポート

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老後のお金の不安解消や、認知症による資産 凍結の対策となる資産管理サービス「ファミトラ」

 株式会社ファミトラはフィンテック領域のスタートアップであり、シニア向けの資産管理事業を展開している。

 現在、高齢者の認知症患者数は年々増加しており、銀行口座が凍結されたり不動産の売買ができなくなったりする事例が増えていると、登壇した代表取締役CEOの三橋克仁氏は話す。また、認知症高齢者の数は、将来的には1000万人に達するといわれており、自分の資産を動かせなくなるだけでなく、子どもたちがサポートできない場合、介護難民という問題が生じる可能性もはらんでいる。

株式会社ファミトラ 代表取締役CEO 三橋克仁氏

 この問題に関しては、成年後見制度も存在するが、親族が後見人になれる確率は非常に低いという。また、資産を動かすためには莫大な費用もかかることから、非常に扱いづらい制度であると三橋氏は指摘する。この事態を回避するために同社が注目しているのが、家族信託だ。高齢の親が、自分の資産の管理し、処分権限だけを子どもなどに委託する仕組みで、非常に合理的な誰でもした方が良い対策だという。

 ただし、従来だと要件によっては高い費用をかけて分厚い契約書を作る必要がある制度だった。そこで同社では、弁護士監修のもと、信託契約書を作る際の100を超える論点を整理できる仕組みを開発。コストダウンを実現し、かつては一部の資産家しか手が届かないともいわれることもあった家族信託をアッパーマス層から準富裕層でも、気軽に作成できるようになった。

 これまでにサポートしてきた資産総額は130億円を超え、一昨年末から4.6倍の規模で成長。提携先企業からも直接送客があり、定常的に流入を作ることに成功している。現在、成年後見人と遺言信託の市場規模はそれぞれ11.5兆円と7.5兆円。家族信託は、マーケットサイズでは未だ及ばないが「仕組みは、家族信託の方が優れている。年平均成長率も高く、時間の問題で一桁、さらに規模を大きくしていきたい」と三橋氏は話した。

「空飛ぶクルマ」の実現に向けて安全な航行サービスを提供するインフラプラットフォーム「ASCP」

 次に登壇したエアモビリティ株式会社は、「空飛ぶクルマ」の社会実装に向け、空飛ぶクルマを簡単かつ安全に運航するためのインフラプラットフォーム「ASCP(AirMobility Service Collaboration Platform)」を開発。「ASCP」には、安全運航を支援するナビゲーションシステムや、自動離発着場システム、保険販売システムなど、さまざまなシステムの展開を構想している。

 代表取締役社長 & CEOの浅井尚氏によると、空飛ぶクルマの市場規模は急拡大しているという。2040年には、世界で130兆円、国内でも2.5兆円規模に達する見通しで、日本の空を車が飛び交う時代が、20年も経たないうちにやってくると話す。

エアモビリティ株式会社 代表取締役社長&CEO

 しかし、現状空で車を飛ばすには、運航や車体の管理、整備など、まだまだ課題があるという。そこで同社は、空飛ぶクルマ社会の実現に必要な仕組みを、「ASCP」を通じて一括で提供することを目指している。さらに、世界には約400社の機体メーカーがあるといわれている。その機体を同社に預けるだけで、運行に必要なすべての業務を代行するビジネスモデルの構築も計画しているという。

 また、空飛ぶクルマやドローンメーカーと部品メーカーを結ぶ世界初のeコマースサイト「AeroMall」の運営も行なっている。運航システムとあわせて、安全かつ簡単なフライトの実現をトータルでサポートしていくと浅井氏は話した。

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