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挑戦する土壌とイノベーションが循環するエコシステム形成を目指す「ひろしまユニコーン10」プロジェクト

「ひろしまユニコーン10」プロジェクト開始から1年間の成果とこれから

提供: 広島県

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事業成長を通じて広島県の地域活性化に貢献したい
株式会社ZIPCARE

「ひろしまユニコーン10」プロジェクトでは、新たなビジネスや地域づくりに挑戦する人が集まるイノベーション創出拠点として「イノベーション・ハブ・ひろしま Camps(以下、Camps)」を運営している。Campsが提供する事業加速支援プログラムが「Camps Acceleration Program(以下、CAP)」だ。Campsのコミュニティマネージャーやスタートアップアドバイザーが、事業成長のための現状整理や課題分析を伴走支援する。

 ここではCAP第6期に採択された36社のうち、2023年3月に開催された成果発表会で「第6期CAP大賞」を受賞した、株式会社ZIPCARE 事業推進室 責任者の坂本創志氏にお話を伺った。ZIPCAREは広島県に本社を置く東洋電装株式会社が、見守り介護ロボット「まもる~の」の事業推進を目的に分社化するかたちで設立された。

株式会社ZIPCARE 事業推進室 坂本 創志氏(左)と、メンターを務めたイノベーション・ハブ・ひろしまCamps コミュニティマネージャー 今井 恭子氏(右)

――プログラム参加のきっかけを教えてください。

坂本創志氏(以下、敬称略):「まもる~の」は介護施設や在宅介護で活用していただける見守り介護ロボットです。「まもる~の」の魅力をどのように伝えればいいのか迷っていたときにCAPを知り、応募することに決めました。

 私は介護福祉士の資格を持っており、介護事業に携わっていた経験から、現場のことはよくわかっていました。一方で、「まもる~の」の価値をうまく言語化・視覚化できず、資金調達を行ったり事業アライアンスを組もうとしたりする中で、課題を感じていました。

――介護事業の経験だけでは、うまくいかない部分があったのでしょうか?

坂本:介護の知識だけではなく、ビジネス視点での根拠や説明の仕方が重要になってきます。たとえば資金調達をするうえでは、どれくらい売り上げが伸びていくのか、その根拠は何なのか、市場のどこにポジショニングするのかなどを論理的に説明する必要があります。そうした思考整理ができていなかったため、現状整理や課題分析ができるCAPに参加しました。

――CAPでは、具体的にどのようなことに取り組みましたか?

坂本:主に取り組んだのは、事業紹介の資料やプレゼンをブラッシュアップすることです。CAPに参加する前は、どうしても説明が一方通行・自分本位になってしまっているのではないか、「まもる~の」の魅力をしっかり伝えられていないのではないかという感覚がありました。

 メンターを担当してくださった今井恭子さんに“壁打ち”の相手をしていただきながら、原点に立ち返ってプロダクトのこと、事業のことを見つめ直す中で、一目で理解できて、情報量も十分にあるスライドを作成できました。

 もっとも改善できたのが、こちらのビフォーアフターのスライドです。「自分が見えている世界をどう視覚化するか」を意識しました。

ビフォー

アフター

 ビフォーのスライドは、介護施設の居室が夜間にブラックボックス化することを示しています。施設の現場にいたとしても部屋の中の様子は見えず、わからないものです。一方、アフターのスライドでは「まもる~の」を導入することで、各居室をのぞかずとも室中の様子を把握でき、介護施設のスタッフは必要なタイミングで必要な方のケアに集中できるようになることを表現しました。

――メンターの今井さんとは、どのような雰囲気でスライド作りを進めましたか?

坂本:今井さんはイノベーション・ハブ・ひろしまCampsのコミュニティマネージャーで、VCでの豊富な経歴を持ちの方です。今井さんは、どうすべきかわかっていたとしても答えを言わず、私の話を聞いて、導くようにコーチングしてくださったので納得感のあるものが作れたと思います。

 また、今井さんは「まもる~の」の可能性を私よりも信じてくれていました。協業のアプローチなどがうまくいかない時期でも「まもる~の」の可能性を信じられたのは今井さんのおかげです。

――CAPでの取り組みは、どのような成果につながっているでしょうか?

坂本:資金調達は3社、事業アライアンスは大手5社が検討中です。CAPの5か月間、資料作りと企業への提案を繰り返したことが成果に表れています。何より私自身が自信を持ってプレゼンできるようになったことが大きい成果です。

 また、CAPを通じたつながりから、さまざまな分野の方と知り合うこともできました。そうした人とのつながりから、「相談にのるよ」とお声がけいただけることが非常にありがたいです。

 ZIPCAREの親会社である東洋電装もそうなのですが、挑戦する人を応援してくれる雰囲気が広島にはあると感じています。カーブアウトして外に向かっていくだけではなく、お返しとして広島に貢献するようなモデルに弊社がなれたらと思います。若い方や学生さんにおもしろい挑戦ができる場所を提供することで、地域活性化につなげていきたいです。

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