ぬいぐるみをメディア化する折り紙式デバイスなど ユニークスタートアップ展示
JAPAN INNOVATION DAY 2023ブースレポート
ASCII STARTUPは2023年3月3日、オールジャンルの展示交流カンファレンスイベント「JAPAN INNOVATION DAY 2023」を開催した。76の国内先進スタートアップ、テクノロジー企業がブースを出展したほか、トークセッションやピッチなどを行った。本記事ではジャンルやカテゴリの枠を超えて展示ブースで見かけたユニークな展示を紹介する。
食品廃棄物から成る新素材で、CO2削減や廃棄食材の有効活用に取り組む、fabula株式会社
fabula(ファーブラ)株式会社は食品廃棄物となった白菜やカカオ、パスタを原料として作られた食器を展示していた。粉末状にした廃棄食材を金型に入れて熱圧縮することで、曲げ強度はコンクリートの4倍にもなるという技術だ。見た目は陶器に見えるカカオで作られた食器からは、たしかにチョコレートの香りがした。
世界のCO2排出量の約8%は、コンクリートの原料であるセメントの製造過程で発生しているといわれているという。fabulaの新素材は、厚さ5mmで30kgの荷重に耐えることが可能で、将来的には建材などへの使⽤も期待される。
2025年に開催される大阪・関西万博においては、会場の屋根に白菜やトマトを用いたfabulaの新素材が使われる計画があるとのことだ。
画像分類AIを活用した病害虫診断アプリ「SCIBAI」で家庭菜園をサポート、株式会社ミライ菜園
ミライ菜園のブースでは画像分類AIを活用した病害虫診断アプリ「SCIBAI(サイバイ)」のデモが行われた。「SCIBAI」は栽培中の野菜の葉に発生した斑点や変色を撮影すると、AIがデータをもとに病気を特定し、対策とあわせて示してくれるアプリだ。
家庭菜園では100種類以上の病害虫が発生し得るといわれており、育てている野菜がいつの間にか枯れてしまうケースも多い。「SCIBAI」を利用すれば枯れてしまう前に対策ができる。また、ユーザーが利用するほど撮影画像などが蓄積され、より詳しいデータをなっていく。今後は蓄積されたビッグデータをもとに、病害虫の発生を予報する機能が追加予定だという。
身の回りのものをメディア化する折り紙式デバイス「ORIME」
ORIMEのブースでは身の回りのものをメディア化する折り紙式デバイス「ORIME」のデモが行われた。「ORIME」は折り紙のように切ったりまげたりすることで自由に形を変えることが可能で、身の回りのものに取り付けることでメディア化できる。
展示では、「ORIME」を使って製作した触覚提示デバイスや、メディア化されたぬいぐるみなどが紹介された。