細かなブラッシュアップでより遊びやすく進化した『イース・メモワール -フェルガナの誓い-』を代表取締役社長 近藤 季洋氏にメールでインタビュー!
今注目の最新ゲームの開発者やプロデューサーにメールでインタビューする連載企画の第7回目は、4月27日にNintendo Switchにて発売される『イース・メモワール -フェルガナの誓い-』だ。本作は『ワンダラーズフロムイース (イースIII) 』のリメイク作品として2005年にWindows向けタイトルとして発売された『イース -フェルガナの誓い-』に新規要素を追加したHDリマスター版のアクションRPG。
『ワンダラーズフロムイース』が横スクロールアクションだったのに対し、『イース -フェルガナの誓い-』ではジャンプ斬りや、下突きなどのアクションは踏襲しながら、奥行きのある3DトップビューのアクションRPGへと、システム面が大幅に進化している。
また、「焔霊の腕輪」などの腕輪を入手することで、それぞれの属性に対応した特殊攻撃“リングアーツ”が利用でき、そのリングアーツを使って火を付けたり、ジャンプ中の飛距離を伸ばしたりして探索をする要素もある。
さらに、時間経過と共にたまっていく“ブーストゲージ”を使うことで“ブーストモード”が発動可能。ブーストモード中は攻撃速度、防御力が上昇し、敵の攻撃を受けても仰け反らなくなるうえ、10回まで連続攻撃できる。
街中でのイベントや宝箱から入手できる「ラバール鉱」を集めれば、武器で錬成して、武器や防具の強化も可能。
『イース・メモワール -フェルガナの誓い-』では、そんな『イース -フェルガナの誓い-』がよりパワーアップ。2010年に発売されたPSP版からHD画質にアップグレード、BGM、各種SEも高音質化されている。サウンドは『イース -フェルガナの誓い-』で使われていた「オリジナル版」のほか、元祖「PC-8801版」、「X68000版」の3種類から選択可能。
劇中すべてのキャラクターイラストは、「リファインver.」として新規描き起こし、PSP版で使われていた「クラシックver.」のイラストも収録しているので、好きなグラフィックで物語を進められる。
総勢30名以上のキャラクターによるボイスイベント、さらには主人公アドル・クリスティン(CV:梶裕貴)にも新しくボイスが追加され、イベントシーンはフルボイスになっている。加えて、フィールド移動やバトル中は、1.5倍、2.0倍に変更できる「ハイスピードモード」も搭載。ワンボタンで切り替えができ、ゲームをサクサク快適にプレイできるようになる。
そんな『イース・メモワール -フェルガナの誓い-』について、日本ファルコム 代表取締役社長 近藤 季洋氏(以下、敬称略)に、いくつかの質問にご回答頂いたので、ご紹介したい。
細かなブラッシュアップにより、さらに遊びやすく進化!
編集部:『イース・メモワール -フェルガナの誓い-』をNintendo Switchで発売することになった経緯を教えてください。
近藤:『フェルガナの誓い』はこれまでPC版、PSP版で発売していたのですが、ここ数年は現行プラットフォームで気軽に遊んでいただける環境がご用意できていなかったこともあり、ファルコムのSwitch自社参入タイトル第2弾(第1弾は『那由多の軌跡 アド・アストラ』)として移植開発を進めることになりました。
編集部:ズバリ最大のこだわりポイントは?
近藤:PSP版『イース -フェルガナの誓い-』から実に13年振りの移植+αということで、Switchにあわせた細かな調整を行っています。
ファストトラベルの際、各エリアのイメージ画像が表示されるようになったり、画面左下に表示されるアドルの横顔が新規制作のものになっていたりと、普通にプレイしていると気付かれないかもしれませんが、現行プラットフォームでも違和感なくお楽しみいただけるように細かなブラッシュアップを施しました。
編集部:プレイヤーの皆様に、ここは絶対見て欲しい、といったポイントを教えてください。
近藤:Switch版で新たに追加したイラスト切り替え機能ですね。
今回はじめて『フェルガナの誓い』をプレイされる新規ユーザーの方にも楽しんでいただけるよう、全キャクターのイラストを「リファインver.」として1から制作しました。PC版/PSP版で使用していた「クラシックver.」といつでも切り替え可能になっていますので、シリーズファンの方でしたらお馴染みのイラストでゲームをプレイしていただくことも可能です。
尚、本編クリア後はボスとの連戦に挑める「ボスラッシュモード」が解放されるのですが、こちらのモードクリア時に解放される特典イラストにも「リファインver.」「クラシックver.」を用意しています。特に「リファインver.」はPC版/PSP版発売当時では描くことのできなかったシチュエーションでイラストを起こしていますので、ぜひこちらのモードにも挑戦してみてください。
編集部:新たに追加した要素で、苦労したことは何かありますか?
近藤:イベントシーンや戦闘の倍速切り替えが可能な「ハイスピードモード」の実装が開発段階での最大の難所だったかもしれません。
「ハイスピードモード」自体はいつでも切り替え可能な便利機能なので、通常のゲームプレイではプレイヤーの好みに応じて「イベントシーンは倍速」「戦闘は通常スピードで」といった遊び方が可能なのですが、実際の開発現場では通常戦闘からボス戦まで、“すべてハイスピードモードON”の状態でテストプレイを行う必要があるんですよね。
その結果、機能を実装した担当者本人が劇的に難易度の上がった本作を死に物狂いですることになってしまいました(笑)。
編集部:より高画質・高音質に進化していますが、こういった環境で楽しんで欲しいといったオススメなデバイスなどは何かありますか?(たとえば、できれば重低音が響くウーファー付きのスピーカー、再生周波数のオススメとか)
近藤:PC版『イース -フェルガナの誓い-』の頃から楽曲面で高い評価をいただいていた作品ですが、ゲームプレイと楽曲の一体感による「心地よさ」を重視しているシリーズでもあるのでユーザーの皆さんが普段プレイされている環境でお楽しみいただくのが一番かと思いますが、ダンジョンやボス戦では激しいロック調の楽曲を中心に構成しているので、重低音の響きを重視したウーファー付きスピーカー等を使用していただくことでドップリと『フェルガナの誓い』の世界に浸っていただけると思います。
尚、本作ではサウンド切り替え機能を実装していて『フェルガナの誓い』のリメイク元である『ワンダーラーズ・フロム・イース(イースⅢ)』で使用されていたPC-88版やX68000版のBGMに変更することも可能です。
こちらは別途スピーカーを用意するのではなく、Switch本体から直接音を再生していただくことで独特のレトロ感をお楽しみいただけるのではないでしょうか。
編集部:収録されている楽曲で、特に開発陣のイチオシなどがあれば教えてください。
近藤:フィールドで流れる「翼を持った少年」です。
「イース」と言えば疾走感の溢れるBGMが特徴の一つなのですが、主人公アドルが街道を駆け抜けていくシーンとバイオリンが奏でるメロディーラインがマッチしていて、シリーズの醍醐味ともいえる「気持ちのいいアクション」の演出に一役買っているかと思います。
また、開発陣のイチオシと言いますか、特に思い出深い楽曲として挙げるとすればラスボス戦で流れる「最強の敵」でしょうね。楽曲名の通り、本当に最強クラスのボスでして、Switch版のテスト段階で若手スタッフが一日中ラスボス戦をプレイしている光景を目にしました(笑)。
編集部:今後のアップデート予定など、お話しできる範囲で教えてください。
近藤:現時点で特に予定はしていませんが、発売後のユーザーの皆さんの反響を見つつ、ゲームとしてより良い内容にできる部分があればアップデートでの対応、という展開も検討したいと考えています。
編集部:最後に読者の方に伝えたいことがあればお願い致します。
近藤:シリーズファンの方はもちろん、『イースⅧ』や『イースⅨ』ではじめてシリーズを知ったという方、これからイースを始めようという方、すべてのユーザーに触れていただきたいシリーズの名作『イース -フェルガナの誓い-』がNintendo Switch版となって4月27日に発売されます。
19歳の冒険家アドルが経験したフェルガナでの物語を、ぜひ本作のゲームプレイを通して体験してみてください!
そして、2023年にはシリーズ最新作となる『イースⅩ NORDICS(ノーディクス)』の発売も控えています。
アドル&カージャのコンビによるクロスアクション、船を操作する海洋探索など、ナンバリング10作目として新しい試みを盛り込んだ意欲作となっていますので、こちらの続報にもご期待ください!
【ゲーム情報】
タイトル:イース・メモワール -フェルガナの誓い-
ジャンル:アクションRPG
販売:日本ファルコム
プラットフォーム:Nintendo Switch
発売日:2023年4月27日予定
価格:4840円(パッケージ/ダウンロード)
※ダウンロード版は予約特典として10%オフの4356円で購入可能。
CERO:B(12才以上対象)
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※Nintendo Switch は任天堂株式会社の商標です。
※“PlayStation” is a registered trademark of Sony Interactive Entertainment Inc.
※そのほか、記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
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