硬貨やクレジットカードなど
かさばるモノが重ならない仕組み
実際に、小さい財布に入っていたほぼすべてのモノをダンボーに移してみたところ、すべてが薄い財布に収納できた。硬貨だけはひとまずお勧めに従って500円、100円、50円、10円、5円、1円の全種硬貨を組み合わせて999円にして、指定場所に収納した。硬貨が斜めに折り重なって、クレジットカード&紙幣の部分に重なり、厚みが増さないような折り返し位置にあるところは素晴らしい。
筆者個人的には、クレジットカード数枚と言う収納力は多過ぎるが、あらかじめその厚さは革加工として反映されているので、収納するクレジットカードの数を1枚〜2枚にしても全体的な厚みはそれ以上薄くはならない感じだ。薄くなった空間部分は、紛失防止トラッカーのTileスリムなどで埋めて利用している。
今回、ダンボーを衝動買いしたのは、何とか40mmある小さい財布の厚みを薄くしたかったことと、自宅カギの収納場所に期待したからだった。ダンボーはカギを紙幣の下側にあたる三角形のフラップをめくった場所にある「ちょっとしたポケット」に収納できる。ここはカギのほか、お守りやいざという時の1万円などを収納できる空間として、作られているようだ。
実際に筆者も自宅のカギを収納してみたが、やはり毎日最低でも2〜3回は使う日常使いのカギの収納場所としては、極めて不便だ。いざという時の1万円札も収納できる幅のある広いスペースなので、スリムなカギが左右に寄ってしまって取り出しにくい。やはり「いざという時」の予備のカギの収納場所だ。特に荷物やカバンを持ちながらカギを取り出すには、不安定かつ面倒だ。
キャッシュレス決済時代とは言え、以前から財布と言うツールは個人の趣味嗜好がよく現れるモノだ。同じ家族でも兄弟でも、趣味嗜好は大きく異なることが多い。ちなみに筆者の妻の財布は以前は2つ折り系がメインだったが、最近はお札を折らずに収納できる札入れが多い。
しかし、妻が最近最も愛用しているのはジッパーを開けるとガパッと開いて、圧倒的に一覧性の高いラウンドファスナー財布だ。クーポン券や会員証をまったく持たない筆者とは、財布の用途や求める要件が異なる感じだ。筆者に言わせると、財布と言う名前の大きなゴミ箱に近い。
「小さい財布」から「薄い財布」に切り替えてはみたが、結局のところ「自宅のカギ」が財布から溢れてしまったので、結果は同じだった。次回は、この自宅のカギの使用可能度を優先した小さな財布か薄い財布に絞って、キャッシュレス決済時代の財布を探してみようと考えている。あくまで超個人的な目的達成のためであり、財布のスペックの優劣ではない。
探しているのは、キャッシュレス決済時代に必要だと筆者が考えている要件を満たす超個人的な財布であって、客観的に素晴らしい財布ではないので皆さんに共通する「推し財布」ではない。そもそも、多くの人に支持される売れ筋の財布と超個人的に感動を呼ぶ、使い勝手の良い財布は、まったくの別物だと考えている。
ネットをクローリングしていると、小さい財布も薄い財布もそれぞれに熱狂的なファン層がいて、それぞれが高い評価を受けている。両者を同時期に気に入っているファン層がいるとはあまり思えないが、評価の重点項目の優先順位や基準を変えてみれば、小さい財布も薄い財布も高評価な商品が登場してくるのは理解できる。
キャッシュレス決済だけを見れば、筆者の左手のスマホには常時PayPayなどのQR決済機能とおサイフケータイのモバイルSuica機能、Visaのタッチ決済のEVERING、Pixel WatchにはSuicaとカードレスのVISAカード(CL)があるのでほぼ完璧だ。なので、超個人的な筆者の現時点での理想的財布は、プラスチックのクレジットカードが2〜3枚、紙幣5枚、硬貨が20枚ほど収納できて、毎日最低2回の自宅のカギの出し入れがスムーズなモノ……というのが条件だ。
懲りずにまた今日から、キャッシュレス決済時代の理想の財布探しの旅に出ようと思う。次回こそ、筆者にとっての超個人的「キャッシュレス決済時代の理想の財布」の打ち止め逸品をこのコラムでご紹介できればと考えている。財布は値段設定が高ければ機能的なわけではない。安価でも当事者にとって使い良い財布なら、プライスレスだ。
今回の衝動買い
・アイテム:「薄い財布 abrAsus(アブラサス)ダンボーVer.」
・購入:SUPER CLASSIC公式サイト
・価格:2万700円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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